QCC ニュース (11月5日号)
 
     
  バックナンバーを読む>>  
   

安藤忠雄氏設計の同潤会青山アパートを含む再開発
再開発組合が概要発表

=事業協力者に森ビル=

 

 

  JR山手線・原宿駅から表参道を緩やかな坂を登っていくと、 左側に古い3階建てコンクリート造のアパート(10棟)が並ぶ、 同潤会青山アパートである。このアパート群の対面には「ルイ・ヴィトン」など有名ブランド店のショッピングゾーンである。
  青山アパートを含む約1.2ヘクタールの再開発事業がいよ いよ来年3月から解体工事に着手する。神宮前4丁目第1種市街地再開発である。このほど再開発組合(石井徹理事長)が概要と建築プランを発表した。
  それによると、建築規模は地下6階・地上6階建て、延べ床面積約3万3,900平方メートルになる。下層階に店舗などの商業施設、上層階にはマンションを配置し、地下部には216 台を収容する大規模な駐車場を整備すし、総事業費は約17 8億円。完成は05年12月をめざしている。
  同再開発には地権者でもある森ビル(森稔社長)が事業協力者として参画しデベロッパーのノウハウを生かしている。設計は安藤忠雄氏(安藤忠雄建築研究所)・森ビルJV。また、コンサルタント業務は環境企画設計が担当している。施工業者は未定。
  建物の構造は地下部がSRC造、地上部はSRC造・S造と なっている。地上2階部から上層が2棟に分かれる構造。各 棟とも2層、3層がマンション(延べ床面積約3,000平方メー トル)で38戸(標準専有面積は66平方メートル)となる。また、 地下3階から地上3階までは商業施設(レストラン・ブッテックなど店舗の延べ床面積約2万4,670平方メートル、営業面積は約1万2,000平方メートル)、地下3階以下は駐車場。
  再開発は周辺環境に重視し、特に表参道のケヤキ並みとの一体となるように配慮し、地上6階建ての低層建築にした。屋上緑化をし、外壁の一部再生も計画するなど、「建築家・安藤」の思想が生かされた再開発になる。
  同潤会アパートは都内と横浜に15ヵ所ほどあったが、現在では青山・江戸川・大塚女子・上野下・三ノ輪の5ヵ所。江戸 川アパート(新宿区新小川町)は今月着工する。規模はSRC造の地下1階・地上11階建てなど5棟構成。延べ床面積約 19,500平方メートル(220戸)で、完成は05年3月を予定している。

 

 
 
     

鉄鋼2団体の「学校施設研究委員会」に
次いで文部科学省の「調査研究会議」が発足

 

 

  文部科学省の調査によると、全国公立小中学校の耐震診 断実施率は02年4月1日現在で約30%。また、校舎棟数約 13万3,490棟(3万4,149校)のうち、新耐震設計基準が 公布された81年以前に建設された棟数約8万7,500棟(全 棟数の約65%をしめている)。このことは消防庁、内閣府調 査でも同様の報告をしている。
  同省は先月末、学校施設の耐震化推進のため自治体関係者や学識経験者らを交えた「調査研究協力者会議」(岡田恒 男主査)を発足させた。公立小中学校の施設(校舎・体育館) の耐震化が遅れている現状を踏まえ、耐震化推進計画の策定手法やパイロットモデル事業の実施、耐震化推進方策などの検討を進め、来年3月下旬に報告書をまとめる。
  一方、昨年9月に日本鉄鋼連盟と日本鋼構造協会が委嘱し た学校施設研究委員会(長倉康彦委員長)の討論結果をまとめた「鋼構造による学校校舎のリモデルプラン」を発表し、鋼 材業界、鉄骨ファブ業界などの関心を集めている。
  この研究内容の構造の課題では、既存のRC造校舎を(鋼 ブレースによる)耐震補強とS造による増築を念頭に置いた場合、(1)RC造とS造の剛性がアンバランス (2)耐震規定におけるRC造、S造の満足度 (3)床部分を一体として床面におけ るせん断力配分等の平面剛性の確保 (4)基礎部分の不同沈下対策 (5)解析等の設計法の構築をあげ、71年以前、71〜 81年、81年以降の3区分による年次別課題と構造検討のフ ローチャートなどを示している。
  このリモデル全国研修会は11月まで全国3会場で教育関 係者、設計事務所など学校施設に関係者を対象に行われ る。「校舎新築、増改築、耐震補強による鉄骨の需要は年間 約15万トン。長期的に全体量として700万トンを見込める」と している。
  学校施設研究委員会は鉄鋼連盟・鋼構造協会といった鉄鋼団体からの委嘱の関係から「学校校舎はRC造と決め付け ず、S造・SRC造をも含め柔軟な設計思考があってしかるべき」と提言しているようである。今回の文部科学省の調査研究 者会議はどのような報告書になるかは定かではないが、耐震化推進なら当然、木造、RC造に、S造、SRC造を含めた多 様な構造となるものと確信する。

(引用文献:「週刊鋼構造ジャーナル」02年10月7日付)

 
 
     

羽田空港再拡張事業は3工法絞れず
03年度に設計・施工一括発注方式に

 

    本ニュースの7月20日付で掲載した「羽田空港4本目の滑走路建設の3工法攻防戦」は、結局決着が付かず03年度に設計・施工一括発注する方針にした。このことは工法選定作 業を行う「羽田空港再拡張事業工法評価選定委員会」の半年間かけた委員会は3工法の安全性と課題の検証に過ぎなかった。
  3工法とは「桟橋工法」(工費約6,080億円=日本海洋開 発建設協会)、「ハイブリッド工法(埋立と桟橋の複合)」(工費 約5,780億円=日本海洋開発建設協会・日本埋立浚渫協 会)、「浮体工法(メガフロート)」(工費約5,897億円=日本 造船工業会・日本造船技術センター)である。3工法とも工期は2年5、6ヵ月で工事費も6,000億円前後で、長所・短所が あり、優劣が付き難かったため工法評価選定委員会を設け、 結論を引き出すはずだった。
  国家的な大規模プロジェクトを工法の提案を含め、設計・施 工の一括発注は初めてであり、論議を呼ぶところである。すで に「これだけのプロジェクトを民間企業にリスクを負わせて大丈 夫か」「もし工事の中断や不備が生じた場合の責任の所在は」 などが噴出している。「工法推薦団体に気兼ねして、役所の責 任を民間に丸投げした」との声すらある。
  「良いものを安く」は公共事業でも当然のことであるが、公共 事業は社会資本であり、国民の財産である。工法技術と安全性、耐久性、維持管理などあらゆる面で万全を尽くしたもので なくてはならない。競争入札となればWTO対象工事となり、外国企業の参入も考えられるので、透明性を高めた入札契約にして欲しいものである。
 
 
     

岡山・柵原町の鉱山跡に低酸素トレーニング走路
フルマラソンの千分の1の42.195 m

=施工・竹中工務店=

 

  竹中工務店は、このほど岡山県柵原(やなはら)町から鉱山 跡地の坑道を活用した低酸素トレーニング走路を受注し、施工をした、と発表した。
  高橋尚子選手らマラソンのアスリートはアメリカ・メキシコ・中国 などの高地合宿で、低酸素トレーニングを行っている。同社が 施工した低酸素トレーニング走路はフルマラソンの42.195キ ロメートルの1,000分の1の42.195メートルの走路。坑道の 特徴である、温度・湿度が年間通してほぼ一定を生かし、低酸 素の空気を坑内に送り込むことで、標高1,000メートルから3, 500メートルの高地が再現できるもの。
  同走路の名称は「イハポキマイン走路・やなはら」(低酸素を表 すハイポキシックと坑道のマインの造語)とし、柵原町では当面、 05年開催の岡山国体に向けて地元選手のトレーニングや基礎 データの収集に活用するというが、本当は尚子選手や渋井陽子 選手らが合宿来ることを期待しているのでは!