QCC ニュース (2003年3月5日号)
 
     
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東京23区内の大規模ビル、04〜06年は供給鈍化
07年以降再び活況になる

=森トラストの調査=

 

 

  森トラストの調査によると、03年の東京23区内の大規模オフィスビル供給量は過去最高の225万平方メートル(02年118万平方メートル)となるが、04年以降06年までは、それ以前の平均水準の約94万平方メートルに落ち着く予想している。07年以降は都市再生法の後押しで、東京駅周辺の再開発による大量供給時代に入る見通しで、それ以外で再開発がされていない地区は厳しい状況になると予測している。
  オフィスビル1棟当たりの延べ床面積は大型化の傾向になり、約5万平方メートルとなった。このことは、80年後半から90年初頭のオフィスビルと比較すると、約2倍近く大規模化している。この傾向は、都市再生法などによる規制緩和がビルの大型化を推し進めていくとみている。
 同社では04年以降供給量の低下はあるものの、07年以降は再び大量供給時代を迎えると予測している。汐留・品川・飯田橋・秋葉原地区のJR駅周辺再開発に続き、東京駅周辺の再開発によって、交通利便性とオフィス集積度の高い地区に人気が集まり、新耐震法(81年施行)以前の中規模ビルと交通利便性の低い地区のビルはますます厳しい淘汰の波にさらされるとみている。

 
 
     
 

建築工事費を値切り、
設計監理で要求品質をカバーするのは邪道
建築主の要求品質は確保は適正価格で発注

 

 

  建築工事とは、建築主が希望するデザイン・間取り・設備などを設計事務所に委託するか、それらの条件を含め直接施工業者に発注することからはじまる。
  設計事務所に依頼した場合、施工業者選定と設計監理をどのような方法で行うかを事前に詰めておかないと問題が発生した時、解決が困難になる。また、設計と施工を含めて施工業者に発注する場合は要求条件を明確にしておかなと問題が起きた時に対処するのが難しい。一般住宅でも、S造・SRC造・RC造のビル建築でも、発注形態の基本は同じだが、ビル建築の場合、設計業務のほかに別の設計事務所による設計監理といった独立した業務が介在するケースが多いのである(特に官公庁工事の場合は、設計業務と設計監理業務は別会社でなくてはならない)。
  民間工事の場合は設計と設計監理を含めていても問題がないが、監理業務は広義の意味では検査業務であるので、第三者的な立場を要求するならば別の設計事務所に委託するのが本道といえよう。
ところが、設計・設計監理・施工の3社によって建築主の要求品質に対応しようとすれその分だけ要求品質を可能にできる。しかし、各々の立場で判断する品質判定は複雑化し、かつ問題解決にも時間がかかるのである。さらに施工業者(元請企業)は、専門業者に下請け発注するので、その下請業者の品質管理と、設計技術者と設計監理の狭間でコストと納期に苦悩するのである。さらに行政による中間検査に対応するのである。
  ところが、こうした仕組みを巧妙に利用する建築主が現れている。「建築工事費を極端に値切り、設計監理会社にたっぷり監理料金をだして、値切った分を手抜き工事されないように監理して貰う」といったことが起きている、というのである。
  建築工事を数%値切るのと、監理料金を倍支払うのではその金額差は莫大なのである。
  一般的に設計料金は建築費の2〜3%、また設計監理料金は1%前後といわれているので、建築費を5%値切って、設計監理料金を2%出しても、微々たる金額である。
  こうなると、施工業者は下請業者に支払う工事費を値切りだすので、技量の高い技能者がいないような下請業者が使えないので、設計監理会社との間でトラブルが起きやすいのである。設計料金にも、建築工事費にも、監理・検査料金にも適正価格(基準料金)があるので、その仕組みの裏を掻いて建築工事費を値切り倒して、その浮いた金額で手抜き工事を監視させるといった手合いは、要求する建築物の品質を確保できないばかりか、納期にも問題が起きると、建築業界では建築主に警鐘を促している。

 
 
     

鉄鋼メーカーの2極化で鉄骨鋼材・副資材が高騰

=鉄骨NEWS 3月1日付「社説」転載=

 

 

 デフレ、低金利であっても一向に建築需要は好転しない。中でも高層・超高層の鉄骨建築のウエートが減少著しい。建築工事費高だけでなく、品質管理が厳しいことから設計・施工技術者が敬遠することと強高度コンクリートの出現もあって、鉄骨建築は厳しい状況におかれている。
 そうした状況下にあって、鉄骨材料の鋼材、副資材の値上がりが鉄骨製作業者(ファブリケーター)を直撃している。鋼材の国内需要は横ばいながら中国を出頭に東アジア諸国の鋼材需要に応え、この数年にわたって粗鋼生産量1億トンを超えている。鋼材メーカーの国内価格の値上げには強気に出ている。
  建築鉄骨専門のメールマガジン『鉄骨NEWS』3月1日付の社説 <鉄鋼メーカーの2極化の波に呑み込まれる恐れあり> が興味深いので、要旨を紹介する。

鉄鋼2極化の波に呑み込まれる恐れあり
  あっという間に鋼材価格が上がって、ファブリケーターの悲鳴が聞こえてくるようである。鋼材に加え、溶接ワイヤ、ハイテンションボルトなど4月以降に値上げが待ち構えている。
  鉄鋼の材料は「鋼湯」である。鉄鋼メーカーは採算のいいものへこの鋼湯を配分し、採算の悪いものは削減する。採算の悪い鉄骨向け鋼材の鋼湯はカットされ、価格値上げをファブリケーター業界に要請する。
  鉄鋼大手は周知の通り、新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼のグループと、NKK、川崎製鉄のJFEグループへ2極化したが、この数年で鉄鋼5社の販売競争が鋼材価格の低迷を招いたが、2極化になっても競争は残るものの5社時代とは様相が大きく異なるだろう。
  例えば鉄骨工事を進める上で鋼材入手に手間取り工事への影響も懸念されよう。工期優先のため鋼材値上げを呑み材料を手に入れることになる。そこで、鉄鋼メーカーのペースになる。不況下、需要減の中でファブリケーターは大きなコストアップ要因を抱えた。
  鉄鋼の2極化は、副資材メーカーなど系列会社をも呑み込んでますます集約化するだろう。なんと言っても鋼材がなければ鉄骨は製作できないし、その納期が3カ月もそれ以上もかかるとなると、材料手配のスケジュールを根底から見直す必要に迫られる。鉄骨単価を上げるしか2極化への対応策はない。
    
   鉄骨ニュースのURLは
   http://www.tekotsu-news.jp

 
 
     

羽田空港の5本目の滑走路で、
国際ハブ空港化は15年先か?

=東旅客ターミナルビル建設中、04年に完成=

 

 

  首都圏の航空便の需要が急速に高まる中、羽田空港(東京国際空港)の24時間化に向け段階的に進めている。現在、計画中の4本目のD滑走路(09年の完成目標、滑走路2,500メートル)が完成すれば、年間離発着数の約25万回から41万回へと飛躍的に増加する。
  そうなると、国内便の離発着だけでなく、国際便にも振り分けられれば、成田空港をヨーッロパ、アメリカなど遠距離便に、羽田空港はアジアなど近距離便と使い分けができる。
  中国・韓国・台湾などへのビジネス出張の多いビジネスマンにとって、羽田空港のアジア便の離発着は願ってもない朗報であるが、D滑走路建設に工法が決まらず、さらに6年先とは歯がゆい思いをしている。
  その羽田空港だが現在、東旅客ターミナルビルを建設している。完成は04年。西旅客ターミナルビルとは湾岸道路を挟んで、地下通路とモノレール、京浜急行線でつながっている。東旅客ターミナルビル前面にはダブルデッキ形式の構内道路がつくられ、空港アクセス道路が新たに環状8号線につながる。これにともなって、西旅客ターミナルからも環状8号線への連絡が早くなり、車でのアクセスも一段と便利になる。
  ずいぶん先の計画だが、京浜急行と都営地下鉄・浅草線(京成線・北総公団線も)乗り入れしている都営浅草線を迂回路線を設けて、東京駅に接続することが決まった。成田空港へも、羽田空港へも東京駅から乗り換えなしで行けるのである。羽田空港への所要時間は約25分、成田空港への所要時間は約40分と大幅に短縮される。
  また、京葉線方面や京浜臨海部からのアクセス向上には、羽田アクセス新線(仮称)の計画やJR東海道貨物支線の旅客化などの構想もある。こうした一連のアクセスが実現すれば、羽田空港は東京の空の玄関口としての役割を果たし、将来5本目の滑走路計画も考えられ、「その時は遠距離便も含め、成田を貨物便の拠点空港にし、羽田を国際ハブ空港化することも考えられる」(空港関係者)と大胆なの声も聞かれる。

引用文献:全図解/東京開発計画(21世紀都市研究会編=ダイヤモンド社刊)