QCC ニュース (2003年7月5日号)
 
     
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国交省検討委員会が解体工事の事故防止対策とガイドライン策定
5階建て以上の建築物の解体工事は年間200件以上

 

 

  国土交通省は、静岡県富士市で起きた解体工事現場の外壁崩落事故の原因解明と今後の対策を検討する目的の「建築物の解体工事の事故防止に関する検討会」で、解体工事事故防止対策にかんする報告書と事故防止に関するガイドライン案をまとめた。近く正式に地方公共団体など関係機関に送付される。
  昭和30年から40年代に建てられた中高層建築物の解体工事が急増している。富士市の崩壊ビルと同規模の地上5階建て以上の建築物は年間200件程度あるが、その建築物の設計図書が殆ど保存されていない。また、増改築や設備変更などの図面や記録となればなお更のことである。当時の設計・建築業務として監理・検査・保存といった品質・管理の問題よりも、戦後の経済成長期であり低コストで早期に建てることが主眼に置かれていたためでもある。
  老朽化したビルを建て直す、地域再開発をするといったこともあり、ビル解体工事は増加している。そのため建築工事全体の事故は減少しているが、解体工事での事故は増加傾向にある。ましてや繁華街での解体工事は市民を巻き込む甚大な被害を伴う事故につながるため、事故防止のガイドラインの周知徹底を促したい。
  解体工事の多くは下請業者や孫請け業者に負うところが大きく、人工単価や産業廃棄物処理費など現状にそぐわない厳しい契約単価に問題があると指摘されている。事前に対象建築物の構造・設計図書を調べ、解体手順や安全管理、公衆公害に配慮した解体工法の選択などを協議し、施工計画の作成をすることが必要である。想定外の構造や設備、増改築が判明した場合は、一旦工事を中止し、再度検討の上に工事計画修正をしなければならない。「(産廃問題と周辺環境を考えれば)壊すことは、つくると同じ気持ちで取り組まなければならない」と解体業者は言うが、建築主は解体工事費にどの程度コスト意識があるのか知りたいものだ。

 
 
   
 

首都圏マンション発売以前好調
 前年同期比16%以上、20階建ては完売続出も

=不動産経済研究所調べ=

 

 

  首都圏におけるマンション市場はここにきて好調さを取り戻している。特に都心の超高層マンションは世の中の不況とは関係なく高い人気を維持している。富裕層の都心回帰や資産運用、医療や文化などの利便性などを挙げられるが、最大の理由は10年前に比べ約23%もダウンした購入価格が需要対象を拡大したことにある。
  NHK「今週のズームアップ」でも、倉庫跡地に建てた最多5,500万円台のマンションに7,000組が見学し80%が契約済みといった事例をはじめ、高齢者夫婦が郊外から都心マンションに移転する現象や30歳代の独身女性層が新たな購買層として台頭していると報道している。
  不動産経済研究所による5月の首都圏マンション動向調査では、発売戸数は8,250戸(前年同月比16.1%)と高い供給量で、5月としては史上2位である。契約率も76.8%(同0.7%)。1戸当たりの価格は3,863万円(同0.1%増)、1平方メートル当たりの単価は53万1,000円(同7.7%増)で、都心部や横浜など価格の高いエリアのシェアが70%を占めている。このうち20階建て以上の超高層マンションは26棟1,172戸(同57.7%)で、契約率は94.2%と引き続き好調である。6月の発売戸数は8,500戸前後の見込みで、上半期の販売は4万1,748戸(前年同期比5.3%)、年間(1−12月)では8万6,500戸を予想している。
  マンション販売業者は、ペットとの居住を可能にしたり、天然温泉を売り物にしたり、健康チェックができるシステムを備えたり、あの手この手の販売戦略を駆使していることも新規需要を喚起している要因にもなっている。

 
 
   

台湾・台北市に508メートルの世界一高い超高層ビル
7月1日上棟式を挙行、竣工は04年10月

=施工は熊谷組JV、鉄骨は新日鐵JV=

 

 

  世界一高いビル「台北国際金融センター」の上棟式が7月1日に行われた。竣工は04年10月の予定で、目下順調に進んでいる。この超高層ビルは、地下5階・地上101階建て、延べ床面積約41万2,500平方メートルで、低層部は店舗・レストランなどの商業施設、地下部には駐車場、タワー部はオフィスの複合施設。この施工は熊谷組などのJVで、9万4,000トンにおよぶ鉄骨工事は新日本製鐵JVが担当、日本の建築技術が台北でも開花している。
  同センタービルは、台湾経済の象徴ともいえるラウンドマークで、当初の計画では地上600メートルだったが、航空管制から508メートルになった経緯がある。発注者は台湾を代表する銀行、生命保険会社など11社が出資する「台湾国際金融大樓股_有限公司」で、建設工事費は約200億元(700億円)となっている。設計は李祖原建築師事務所が担当した。
  02年3月31日の台北市を襲った大地震でタワークレンが倒壊したものの大過なく復旧しての上棟式を迎えた。施工の熊谷組は台湾、中国、香港、タイなど東アジア地区で高層ビル建設では実績が多く、「中国銀行香港支店ビル」(地上70階・高さ約365メートル)、「深_地王商業ビル」(地上68階・高さ約386メートル)をはじめ台北市には新光三越百貨店が入っている「新光人寿保険ビル」(地上51階・高さ約224メートル)などが挙げられる。熊谷組は海外での高い建築ノウハウと施工技術、短工期、品質・安全管理とマネジメントが世界一高いビルの受注に結びついたもの。

 
 
   

携帯電話(ケータイ)60%以上の普及で社会が変わった
建設工事現場で利便性の高い携帯電話だ
普及の低年齢化と人間の機能化に対する危惧も

 

 

  携帯電話(ケータイ)の高普及率が新たな社会現象を生んでいる。その一つがメールとカメラである。電車の中であれ、街中であれケータイと睨めっこし、何かといえばカメラに収める。こんな現象が馴れるにしたがって、不思議でなくなってくるのには、一方にケータイの利便性が分かるからである。その影響で、使いきりカメラが激減し、20歳代の腕時計率40%もケータイ現象である。
  建築現場の例をあげれば、かつては場内マイクやポケベルでの呼び出しをして、場内設置電話での連絡が当たり前であった。躯体工事が上階に進むにしたがって設備増強や放送担当など間接人員も必要になった。それが、作業員一人ひとりケータイを持つことによって全てが不必要になった。現場事務所と各作業場とは交信はもとより、職長と職人との手配や資材の搬入、作業状況や工程指示など現場内はもちろんのこと外部との連絡をいちいち現場事務所や公衆電話に行かずとも瞬時に行え、業務の効率化は計り知れないメリットを生んでいる。その上に、カメラ付きケータイの場合、工事状況を画像送信しながら指示・確認を仰ぐことができるので、工事現場ではメール機能よりもカメラ機能付きケータイに取って代わっていくことだけは確かなようである。
  ケータイが企業社会で、業務で大いに利便性を享受しているため、若者が車中で送信に夢中であっても、小・中学生にまで普及しても、出会い系サイトによる犯罪がふえても、運転中のメール操作も、社会は冷静に許容しているようである。
  そうした背景からかケータイの機能・性能はますます進化し、100万画素(ネガピクセルとも言う)やズーム8倍などの性能からパノラマ撮影ができるといった機能のカメラが発売され、すでにカメラ付きケータイは1,000万台を超えた。特に14歳以下のカメラ付きケータイ率は80%と若年層ほど普及率は高いとう。もはやケータイは人間の機能の一部になりつつある。
  女子中学生2人が、ケータイに遺書を残して自殺した。主婦が近所の男に殺害され、逮捕に至ったのは主婦のケータイ着信記録であった。ケータイが人間機能体の一部であるとすれば、そのメリットとデメリットは一人ひとりの自覚に負うべきだが、これからも何ら制約・規制もなく、このまま野放図に進化・普及してもいいのだろうかと大いに疑問に感じる。