QCC ニュース (2003年8月5日号)
 
     
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2,000万円の基本設計業務を10万円で落札

=東京・目黒区の碑小学校校舎改築工事=

 

 

  公共建築物の入札には、一般競争入札と指名競争入札に分かれる。入札となれば、談合問題が取り沙汰されるが、最低制限価格が無いためにとんでもない低い入札額で契約するといった問題が起きている。その話題の入札は、東京都目黒区の碑(いしぶみ)小学校校舎改築等工事基本構想・基本設計業務の指名入札である。
  東京都目黒区は7月17日、同区碑文谷1−18−2の碑小学校校舎改築等基本設計業務を10万円(税別)で桑波田建築設計事務所(目黒区)に委託・契約した。この入札には地元設計事務所など10者が応札したが、最低10万円の異例の低さになったため、保留にしたが、同区契約課・施設課と桑波田建築設計事務所双方によるヒヤリングの結果、契約履行が可能と判断し、契約に至ったもの。
  入札は、最高2,200万円から10万円で、2番札も100万円と低価格だったが、それでも10倍の開きがあった。目黒区の設計業務に最低制限価格制度、低入札価格調査制度を導入していないために起きた問題であるが、今回のケースを受け、最低制限価格制度などの導入については、桑波田建築設計の履行状況をみてから判断する方針という。
 碑小学校の改築規模は、延べ床面積8,000〜9,000平方メートルの校舎建築に、プール、サービス事務所なども一体的に施設に取り込むもので、基本構想・基本設計の納期は本年度末まで。04年度に予定している実施設計委託は「基本設計業者との随意契約になるかは履行状況を確認してから契約方法を検討する」と慎重な姿勢をとっている。なお、建築工期は05年度着工し、06年度完成を予定している。
  入札に参加した設計事務所の構造設計担当者は「2,000万円前後が妥当な入札額。目黒区は、業務履行のヒヤリングするぐらいなら指名入札業者に参加させるべきではない。実施設計業務は随時契約ではなく新たに入札すべきだが、基本設計は実施設計に与える影響は大きいので、基本設計内容次第では混乱するだろう。いずれにしても行政の怠慢と言われても仕方ない」と談合とは別に、最低制限価格の無い入札に対する批判の声にどのように応えるのか。
  基本構想・基本設計委託業務の入札参加者と応札額は次の通り(五十音順)。

▽奥野設計=700万円 ▽梶建築設計事務所=1,950万円 ▽桂設計=1,380万円 ▽共同設計東京事務所=690万円 ▽桑波田建築事務所=10万円 ▽相和技術研究所=950万円 ▽東急設計コンサルタント=980万円 ▽八千代都市建築設計=1,700万円 ▽山下設計=2,200万円 ▽横河建築設計事務所=100万円。

 
 
   
 

青森・六ヶ所村の原燃再処理工場の欠陥溶接

欠陥箇所247件に保安院が厳重指導 施工管理の甘さ露呈!

 

 

  昨日(4日付)『毎日新聞』万柳川柳・秀逸「安全な原発なぜか過疎地のみ」(宮城・よねづ徹夜=作)。
  青森県六ヶ所村に日本原熱が建設している再処理工場で起きた欠陥溶接が大きな波紋を呼んでいる。全国の原発から集まる使用済み核燃料貯蔵プールの溶接部から水漏れを起こし、昨年末から使用が止まっている。欠陥溶接箇所は疑いも含め247ヵ所にもなる。
  経済産業省原子力安全・保安院は、欠陥溶接箇所の補修方法と施工管理体制の改善策を報告するよう原燃を厳重に指導したが、05年7月予定の運転開始が遅れこともある。
  <原燃が調査した欠陥溶接とは次のようなものである>
  再処理工場には、(1)加圧水型原発用、(2)沸騰水型原発用、(3)両者の共用――三つの使用済み核燃料貯蔵プールがあり、水漏れを起こしたプールは加圧水型で起きた。原因は、製作元請の下請業者の手抜き施工で、溶接技能者がステンレスの突合せ溶接部に10ミリ以上の隙間があったため、そこに2〜5幅のステンレス材を勝手に埋め込み、継手の表面だけを溶接したため、完全溶込みでないため水圧で亀裂が生じ、水漏れを起こした。工期が半月ほど遅れていた。年末の繁忙期だったことも原因であるとの理由であるとしているが、ことの重大さからみて溶接技能者の判断では起きた問題ではないと思われる。
  溶接技能者は自己が施工した溶接箇所の品質には人一倍責任を感じる職能者であるし、責任を回避できないのである。薄板のステンレス溶接はTIG溶接もしくはプラズマ溶接法である。いずれも高度な溶接資格者が従事している。工期の遅れがあったとしても核燃料貯蔵プールが如何なるものかは知っているはずである。施工管理責任者の指示・承認なくして「アンコを勝手に入れることはできない」と溶接技術者は指摘する。
  欠陥溶接は貯蔵プール施設で186ヵ所、工場本体で61ヵ所の247ヵ所である。溶接に問題があれば、当然下請けの溶接技能者に問題になるが、むしろ元請会社の施工管理責任者、下請けの溶接技術者の責任に帰する問題である。そして何よりも原燃は事前に関係者を集め、溶接施工要領書など施工基準について打ち合わせを行っていればこんな問題は起きなかった。

 
 
   

ビール工場跡地の開発花盛り

恵比寿ガーデンプレイスを皮切りに・大森・広島・京都・名古屋と続く開発

 

 

  冷夏で梅雨明けが遅くビアガーデンは開店休業状態だったが、梅雨明け宣言後の気候が心配なビール業界だと思う。このビール業界はシアー争いに次いで、生産合理化のため工場の移転・閉鎖・統合が盛んに行われている。消費地に近いビール工場跡地は、オフィス・マンションの都市開発や大型ショッピングセンターなど絶好の用地になっている。
  サッポロビールは、いち早く都心の恵比寿工場を超高層オフィス・ホテル・マンション・ショッピングセンターの「エビスガーデンプレイス」として蘇えり、賑わいをみせている。
この成功が「サッポロビールが熾烈なビール競争に遅れを取った要因」と言われるほど不動産事業の収益増になっている。
  アサヒビールの東京工場を都心の大森から神奈川県足柄に移転し、跡地は住友信託銀行に売却。住友商事・東急不動産・イトーヨーカ堂による開発が行われている。地上10階建てのオフィスビル、25階建てのマンション、6階建てのスーパーマーケット・イトーヨーカドー大森店などを日建設計の設計、大林組の施工で建設中。
  一方、キリンビールの京都工場は4街区に分け、A街区に25階建てのオフィス・マンション複合ビル、B街区は地上10階建てのショッピング・レストラン・専門店街の複合ビル、C街区は25階建てにホテル・オフィス・レジャー・スポーツ・シネマコンプレックスなどの複合ビル、D街区には25階建てのマンション・医療・教育施設などの複合ビルを計画している。
  このほか、キリンビール広島工場はダイヤモンドシティーによる大型複合ショピングセンター(4階建て、一部5階の延べ床面積約11万平方メートル)を建設中。サッポロビール名古屋工場も都市基盤整備公団を中核にし、オフィス・マンション・ショッピングセンターの計画が進んでいる。都市に近いビール工場は都市開発の拠点として今後も目が離せない。
  昨今、ビール工場に限らず工場・社宅跡地は、高層のオフィスビルやマンション、さらに大型ショッピングセンターが進出し、職・住・販に加え、教育・文化・娯楽・趣味などを擁した都市開発の用地になっている。東京・世田谷区の都立大学跡地に高層マンション建設によって周辺住民とトラブルになっているが、跡地開発は地域住民の承認と理解によって開発されるよう願いたいもの。

 
 
   

都心の温泉施設に人気高まる!
お台場・後楽園・としまえんに誕生

 

 

  バブル崩壊後、十数年間で各地温泉地の大型リーゾトホテルの倒産が続いた。温泉地のホテル不振をよそにスーパー温泉・スーパー銭湯が幅を利かせている。  
  都心では、マンション建設と反対に煙突のある銭湯は年々減少し、「神田川」的な光景はすっかり姿を消し、大型の天然温泉施設が出現し、盛況に沸いている。
  副都心のお台場に出現した『大江戸温泉物語』は、下足番を貰って入ればそこは江戸時代にタイムスリップ、参加型レジャー施設を備えた巨大温泉場である。ドーム球場の後楽園には『東京ドーム天然温泉スパ・ラクーア』は、都心の真ん中にある野球・遊園・温泉の一大レジャー施設に隣接した若者向きのお洒落な温泉施設。西武・遊園地の「としまえん」の『豊島園庭の湯』は庭園を借景にした(5歳以下の幼児はお断りの)閑静な大人の温泉場として人気が上がっている。
  天然温泉は掘削深度1,500メートルから2,000メートルの数万年前の地層から汲み上げたミネラル豊富な温泉である。都心に温泉とは、優れた掘削技術が容易にし、集客のために斬新なアイデアを結集している。
  また、天然温泉の向こうを張って、進出しているのが海洋深層水の銭湯である。海面300メートル以下から深層水を汲み上げ、沸かすお湯の効能は温泉に匹敵する。どちらも温泉・風呂好きの日本人ならではの施設。
  行楽の「安・近・短」志向の昨今、都心の温泉・銭湯は絶好の行楽地でもあるが、かつて飲んで・歌って・踊っての「○○ヘルスセンター」のような一過性の娯楽施設でないことだけは期待したい。そのためには施設の維持管理や徹底した衛生管理が必要である。