QCC ニュース (2005年2月5日号)
 
     
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阪神淡路大震災10年、目指すべき真の技術を探す

日本鋼構造協会・日本溶接技術センター・AWA認証機構が主催の講演と討論

 

 

  日本鋼構造協会、日本溶接技術センター、AWA認証機構は1月21日、川崎市内の日本溶接技術センター大講堂で「阪神淡路大震災から10年経過して、建築鉄骨技術者が目指すべき真の技術を探す」をテーマに講演と討論が行われ、聴講者130余名が集まった。
  講演は、(1)独立行政法人建築技術研究所・山内泰之理事長が「震災の教訓を受けた法改正と実務技術者と技術情報の共有化」(2)京都大学防災研究所教授・兵庫耐震工学研究所・中島正愛センター長が「ノースリッジ地震から11年、兵庫県南部地震から10年−日米の対応の違いについて」(3)日本溶接専門学校・岡本晴仁教授が「鉄骨構造の耐震設計はどこまで進化したか」(4)丸岡義臣技術研究所・丸岡義臣所長が「震災の教訓は鉄骨構造の設計・施工をどう変えたか」(5)千葉大学工学部・森田耕次教授が「将来の鉄骨構造設計の目指すべき方向について」と題して講演した。
  山内理事長は、法令における規定の概要では、指定建築材料の規定化、溶接関連規定の厳格化、種々の仕様規定の見直しなど、接合(ボルト・溶接)問題に言及。それに伴い、性能設計法、性能型技術開発、性能型生産・加工・施工管理(総合コントロール)、性能型技術者教育・技能者教育、性能型実務者支援などを提言した。
  中島センター長は、米国バークレー滞在中にノースリッジ地震に遭遇し、その後の日米耐震工学の相違などを自身の感想を交え、接合部詳細の違いを指摘。また、日本建築学会04年PD接合小委員会外国関連規準評価検討WGにおける日米比較などを披露した。
  岡本教授は、兵庫県南部地震での建築被害の特徴を挙げ、設計上の問題点と損傷や柱梁の破壊などの解析データをもとに耐震安全性向上のための課題を提案した。
  丸岡所長は、鉄骨建築の95%を占める中小鉄骨造の標準柱梁溶接接合部形式への提案と題し、鉄骨構造の設計・施工をどう変えたかを、様々な機関での実験データをもって解説した。
  森田教授は、建築鋼材と接合技術から熱影響部の靱性、入熱・パス間温度の適正範囲の問題や溶接施工・溶接欠陥に言及し、ウェルドレス接合への挑戦を提唱した。 
  この後、松崎博彦AWA認証機構会長の司会で、参加者との真摯な質疑応答が行われた。
阪神淡路大震災10年。風化しがちな震災を、建築技術者がその教訓を活かしながら、技術伝承が行うことがこれからも続けていかなければならない。

 
 
   
 

大型ショピングセンター計画目白押し

都心工場跡地再開発型や郊外複合型など多様化

 

 

  大型ショッピングセンターの建設計画が盛んである。大手総合スーパーのイオンモール(千葉市)、イトーヨカ堂(東京都)、ユニ(稲沢市)。また、ホームセンターの島忠(さいたま市)、ニトリ(札幌市)、コーナン商事(堺市)、カインズ(高崎市)。家電量販店のヤマダ電機(前橋市)、ラオックス(東京都)、デオデオ(広島市)。このほか複合型ショッピングセンターをプロデュースするダイヤモンドシティ(大阪市)、セントラルリース(名古屋市)、片倉工業、日本工営(東京都)などが挙げられる。
  建設計画は都心部の工場跡地など再開発地に高層住宅と併設する形で建設されている。地方都市ではモーターゼーションから郊外型計画になっている。平屋・2階建てのホームセンター、地下1階・地上4階建ての総合スーパーは専門店60店舗以上をテナントに、地下および4階・屋上を駐車場した構造が多い。
  また、複合型ショッピングセンターは駅前再開発と一体化したものやシネマコンプレックス、アミューズメント施設、遊戯施設、公共公益施設を包含した多様化した形で計画されている。いずれも駐車スペースにゆとりを持たせた設計になっている。
  駅前再開発で高層住宅と並んで大型のデパート、総合スーパーマッケット、複合型専門店など進出し、特色の無い光景になっているが、この数年は工場跡地を高層住宅と大型ショッピングセンターによって開発されている。
  その代表が東京・江東区豊洲2丁目の再開発4街区、6街区の大型ショッピングセンター計画。S造地上5階・RC造地下1階、延べ面積約14万8,000平方メートル(6街区)、S造地5階・RC造地下1階、延べ床面積約2万5,000平方メートルである。
  郊外の大型複合ショッピングセンターは東京・多摩日の出町に計画しているS造地上3階、延べ床面積約9万7,000平方メートルやダイヤモンドシティが計画している東京・立川市と東村山市に跨る日産自動車村山工場跡地にはS造地上5階、延べ床面積約17万7,000平方メートル。
また、東京・八王子市の「グリーンウォーク多摩店」はS造地上2階および3階の3棟構成で延べ床面積約6万4,000平方メートル、総合スーパーでは東京・足立区の日清紡工場跡地に計画中の「イトーヨーカドー西新井店」はS造地上5階・RC造地下1階、延べ床面積約11万1,000平方メートルなどである。
  まだまだ計画が目白押しの大型ショッピングセンター計画であるが、既存の商店街小売店をシャッター街化しながらいずれ大型ショピングセンター同士の争いになること思うが、ダイエーの二の舞だけは御免被りたいもの。

 
 
   

<今月の雑感>
目的をもって、個性発揮できる専門学校に人気
日本溶接構造専門学校もそうした教育機関

 

 

  スギ花粉とともに2月、3月は進学や卒業行事で泣かされるシーズンである。少子化現象で18歳人口が年々減少するなかで、大学・専門学校とも学生確保に苦労していると思っていたら、意外に専門学校が人気を集めている。
  文部科学省の04年度学校基本調査によると、全国の専門学校は2,964校で、入学者数は33万5,000人である。うち新規高卒者の進学率は高く、98年の15.7%から年々上昇し20%近くになっている。また、大学・短大を卒業後、技能・技術資格を取得するため入学してくる学生も増えているのも特徴と言われている。
  専門学校の分類は多種多様で、建築・服装・デザイナー・料理・演劇・映像など職業の数だけの学校がある。高卒であれ、大卒であれ、どんな職業に就くにしろ専門知識や公的な専門資格の取得やスキルを高めることにより、社会に出て優位に立つことは間違いない。その目的をはっきり持っている学生が専門学校に多いことも事実である。
  川崎市内にある日本溶接構造専門学校(日構専)も、そうした学生が多く在籍している専門学校である。溶接は、他の技能以上に個人技能(技量)が支配するものである。そのため技能・技術資格がなくては従事できない職種である。
  溶接技術は造船・橋梁・建築など重工業からIT産業にかかわるプラズマやレザーエネルギーなどハイテク技術を駆使する接合・切断技術である。なかでも超高層建築の躯体鉄骨にも溶接技術が使われ、その溶接部品質を外観・非破壊検査によって確かめられている。
  溶接技能資格を取得しながら建築構造技術を学ぶことができるのが日構専で、その学科編成は(1)溶接・検査技術科(1年制)(2)鋼構造工学科(2年制)(3)鉄骨情報工学科(2年制)で、それぞれ定員20名である。
  かつて家業が鉄工所経営、親が造船所など重工業会社に勤める息子が、家業や親の職業を継ぐため就学する目的・動機が多かったが、昨今、ものづくりに興味を持った男女学生が溶接に技能を取得したい、超高層施工や設計に情熱を燃やす人、4年制大学の文学・経済部を卒業後、専門スキルを学ぶために来る人など様々である。04年度では大学卒が全体の8%の2万6,000人もいるのである。
  この春、進学に迷ったり、卒業後の就職が決まらなかったり、職業に自信が無かったりした場合は、専門学校への門をくぐりなさい。「目的をハッキリし、スキルを持った人間は強い」専門知識・資格取得した人は、豊かな人生を歩むこと<間違いない>。