|
建築鉄骨に携わる設計・ゼネコン・非破壊検査・ファブリケーター・副資材メーカーら技術者によって組織・運営されているサンプリング会(会長=田中淳夫・東京電機大学教授)主催によるシンポジウム「将来にわたってファブリケーターが生き抜くため=信頼されるファブの条件=」が2月17日、東京・芝の建築会館ホールで行われた。
同シンポジウムは、苦境に喘ぐ鉄骨ファブ業界を激励するために企画したもので、鉄骨建築関係者ら130人を超える参加者となった。
冒頭、田中会長はあいさつで「中国の経済成長による鋼材需要の増大から国内市況の急騰とタイトによって、ファブの置かれている情況は極めて厳しいものがある。その一方で、耐震構造の性能を満足させる鉄骨建築物を普及させるには何が必要なのかと言った問題もある。それには、まず鉄骨を製作するファブが健全な経営で、誇りを持って仕事に従事することが必要である。その基本は信頼されるファブでなくてはならないと訴え、そのためには何が必要なのかを討論して欲しい」と開催の趣旨を述べた。
進行司会は、矢部喜堂幹事長(清水建設)によって進められた。パネラーは、構造設計者の立場から加賀美安男氏(日建設計)、ゼネコンの立場から宮野洋一氏(安藤建設)、森岡研三氏(三井住友建設)、ファブの立場から奥津典一氏(オクツ=茨城)、中出英三氏(山梨建鉄=山梨)、羽石良一氏(共栄産業=栃木)の6氏が、それぞれの立場から現状分析、問題点、解決のための提言を行った。
パネラーの提言は、<1>設計図書では理解できない設計品質や発注時にネグレクトされた設計品質を設計者から直に引き出す行動をすべき、<2>ゼネコン現場所長とファブ経営者、ゼネコン鉄骨担当者とファブ技術者との信頼関係を構築すべし、<3>品質保証ができる製品と体制が必須条件になるが、信頼醸成にはお互いの尊敬が必要である、<4>要求品質、技術、価格にそれぞれギャップがあるが、ファブとして技量を向上し信頼され、プライドが持てる体質にすべき、<5>鉄骨部材の自主的品質保証システムの確立をめざす、<6>独自技術・創造性・先見性を持った経営マインドを磨く――など、どのパネラーもかつてないユニークな発言になった。
この後、パネラーを含めた討論では活発な意見や提案が繰り広げられた。最後に田中会長はまとめとして「これまで言いっ放しで、お互い同士で話し合う場がなかなかなかった。ファブの技術力を適正に評価する工場評価システムなどいろいろ問題があるが、最終的にはファブとゼルコン・設計事務所の信頼し合って良いものをつくる。なおかつ品質保証制度、適切な工場評価ができれば上手くいくのではないかと思う。サンプリング会はエキスパートが多くいるので、今回の提言を元にこれからもできるだけ発信していきたい」との方針を語った。
(詳しくは鋼構造出版発行の「鉄構技術」4月号・5月号を参照)
|