QCC ニュース (2005年6月5日号)
 
     
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罰則規定ある是正勧告基準1日から施行
5階以上 延床1千平方メートル事務所ビル対象

 

 

  60年代の高度成長に建設された中小ビルの老朽化が進んでいる。そうした背景もあって、政府は「建築基準法」および「官公庁施設の建設等に関する法律」の改正に伴う政令を6月1日から施行した。基準法改正ではでは、老朽化し安全上問題のある建築物を是正勧告できるもので、規定対象は地上5階建て以上、かつ延べ床面積約1,000平方メートルを超えるものとしている。
  また、対象建物は事務所ビルおよび該当する建築物で、建築確認業務を担当する特定行政庁が立ち入り検査や点検結果の報告を求めることができるにようなる。是正命令の違反罰則規定も定められており、法人に対しては最大1億円、法人代表には最大300万円の罰金がそれぞれ科せられる。
 国土交通省によると、耐震性や防災面などで是正命令が出る事案が年間300〜400件あることから、今回の政令施行によって危険で安全上問題のある建築物への対策が強化されるとみている。このほか、既存不適格建築物の増改築要件の緩和や、改修・補修時にポリマーセメントモルタルなどの利用を認める項目も盛り込んでいる。
  この政令によって、既存不適格な建築物の建て直し、改修・補修工事によって、耐震性・耐火性のある建物になれば都市防災になる。たま、建築需要につながるなど期待の大きい改正である。

 
 
   
 

日産自動車新本社ビルの設計コンペ受け付ける
10月に設計・施工チームを決定

 

    日産自動車は、横浜市西区の新都心みなとみらい21(MM21)地区に本社機能を移転に伴う、本社ビル建設に向けて、設計コンペの募集要項を発表した。新本社ビルの設計と施工を一括して担当するチームを選定するもので、提出書類は今月8日までに同社新本社コンペ事務局(東京・銀座)で受け付けた。
  同社の選定スケジュールによると、一次審査で設計会社数社を選定し、別途選定した建設会社と組み合わせを行い、設計会社と施行会社によるチーム編成とする。各チームからの提出書類とプレゼンテーションにより、10月に設計・施工の実施予定チームを決定する。
  設計コンペには、協力会社を含め最大3者共同で参加することができる。なお、建設会社の設計部門あるいは関連設計会社が設計者として選定された場合、その建設会社は施工者としての資格を失うことになる。また、参加のための諸費用は自社負担となるが、最終コンペの参加者に対しては1チームごとに参加費用を支払う。
  新本社ビルの計画地は、MM21地区66街区の1万平方メートルに、延べ床面積約7万8,500平方メートルの建物と就業人員約2,000人を想定しており、事務所のほか大ホールやカフェテリア、ショールームなどを配置する。本年度から10年度までの6年の事業期間で、総事業費約420億円となっている。
  一方、企業誘致に力を入れている神奈川県、横浜市は日産自動車のMM21地区への進出は横浜経済活性化の起爆剤として歓迎し、施設整備に伴う助成によって、県36億円、市が12億円を助成する見込みだ。
 
 
   
 

ダイヤモンドリースが
SC長期賃貸物件「シンフォニー」を強化
今年度100億円契約し、今期末で600億円を目指す

 

 

 ダイヤモンドリース(本社・大阪市)は、このほど不動産リース事業を強化するとの計画を発表した。イオングループ(ジャスコ)、イトーヨーカドーをはじめ新規の大型ショッピングセンター(SC)計画が進む中、同社不動産リース事業として、SC建物運営と長期賃貸契約の商品「シンフォニー」を今年100億円以上の契約締結し、05年3月期の契約高600億円以上を見込んでいる。
  シンフォニーは小売店舗業者の出店計画を資金面で支援し、事業者の要請や希望を受け、SC建設を行い10〜20年の長期リース契約によって収益を得るもの。これまで1案件2億円から数億円を手掛け、期末契約高は03年3月期441億円、04年3月期518億円と順調に伸びている。小売店舗業者の新規出店計画は、土地の手当て、建設資金、運営資金など煩雑かつ専門知識が必要としないメリットがあるある一方、店舗撤退のリスクにも有利とみられている。
  SC進出計画は5年単位で事業採算判断をしており、短期間での事業収益を見込んでおり、直接建設か賃貸契約かでリスクが分かれる。ダイエー凋落の要因には直接投資にあると指摘され、ヨーカドー成長は賃貸による資金軽減にあるとされていることからSCリースの需要は増えるものと思われる。

 
 
   

<今月の雑感>
米国の人民元の切り上げ圧力と、わが国経済への影響は

=5−10%切り上げ対策を講じている日本企業=

 

 

  昨年初頭から中国人民元の切り上げの憶測が報じられてきたが、ここに来て米国が対中貿易の赤字急増から為替調整のため人民元の切り上げを求めて圧力を強めている。
  昨年、中国人民銀行の周小川総裁は「人民元相場の形成システムを今年改善する」と述べ、年内に何らかの措置を講ずる方針を示したものの、相変わらず大量のドル買い、人民元売りで凌いできた。
  毎年9%台の経済成長率を続ける中国。人民元レートをドルにくぎ付けにし、通貨価値を安定させていることには、外資導入がし易く、その外資が驚異的な中国経済発展を支えている。そのためにドル買い・元売りがベースになっている。その結果、中国は日本に次ぐ世界第2位の外貨準備となり、経済規模に比べて資金運用の非効率になっている。
        中国の対米貿易黒字と膨らむ外貨準備高(億ドル)
             年     貿易黒字    外貨準備高
             00     838     1656
             01     830     2122
             02    1031     2864
             03    1240     4032
             04    1620     6099 (引用:毎日新聞)
             
  中国経済の発展は、解放経済体制のもと米国・日本・欧州・台湾などから膨大な外資導入や工場進出によって成しえてきただけに元の国際化はもはや不可欠である。中国政府も元改革を行う姿勢を見せているものの、そのタイミングを見計らっている。
  米国との対米黒字は今年1−3月で420億ドルと過去最高になっている。米議会は人民元の切り上げがなければ、中国製品に一律27.5%の高率関税を課すという法案をつらすかせている。かつての日米通商摩擦の様相を髣髴させる。経済アナリストらは「元の切り上げによる通貨調整で、米国の貿易赤字は減らず、むしろ国内の構造調整こそが必要である。仮に中国からの輸入が減ったとしても、別の国から輸入が増えれば同じこと」と指摘している。
  人民元の切り上げは、日本経済にとっても重大な影響を及ぼすが、この問題では金融・経済界は沈黙をまもっているが、元切り上げは日本の利益につながるのかが不透明である。人民元改革の必要性は中国であり、その影響は、円はもとよりアジア通貨全般の経済に及ぼすことは必至である。それだけ中国経済は巨大な力になってきている。
  したがって中国のような地域経済大国が、ドル一辺倒でなく、ドルのほか円、ユーロなどを組み入れたバンケット方式に転換すれば、ドルに振り回されることなく、実勢に見合った人民元相場の維持ができる。
  わが国の中国に進出している企業は、「すでにドルレートで5−10%の切り上げを予測した対策を講じている」との報道もあるが、人民元の切り上げは中国での製造・海外販売を主目的としている企業にとっては、競争力の低下につながる。
  一方、中国市場を視野に置いた企業にとっては、輸入部品や駐在員のコストが相対的に安くなることであり、円換算の利益及び投資資産の価値が上がるメリットが生まれることにもなる。円レートではどの程度になるのかも知りたいものである。