QCC ニュース (2005年9月5日号)
 
     
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セブン&アイHDでヨーカドー店の再構築
09年2月までに大型複合SCを17カ所オープン

 

 

  イトーヨーカドーグループは1日、持ち株会社「セブン&アイ・ホールデングス(HD)」を設立し、イトーヨーカ堂、セブン−イレブン・ジャパン、デニーズジャパン3社を置くと発表した。
  持ち株会社によって、子会社のセブン−イレブンの株式時価総額が多い、「ねじれ現象」を解消し、仕入れの一元化などによってスーパーマーケット・コンビニエンスストアのコスト削減を進めるとしている。
  その一方、イトーヨーカ堂は09年2月までに大都市圏を中心に大型複合ショッピングセンター(SC)を17カ所に出店し、30店の不採算店舗を閉鎖する。このうち堺・下田店、東京・大森店、千葉・蘇我店などの出店と、4店の閉鎖を8月末までに済ましている。セブン&アイHD設立で、思い切った再政策に乗り出したといえる。
  スーパーマーケットは駅前や商店街など繁華街からスタートしたが、スーパーの大規模化や駐車場の確保、家族ショッピングなどもあって郊外型に移ってきている。その用地はかつての大規模工場移転跡地などが、高層共同住宅と大型スーパー計画を容易にしている。
  イトーヨーカ堂が進める大型複合SCには、イトーヨーカドー店舗(大規模スーパーマーケット=GMS)を核に、専門店舗・飲食店舗やアミューズメント、シネマコンプレックス、自動車ショールームなどを含めた一大ショッピングモールとする米国型の大規模なものになる。 
  建設着工および計画中の新店舗計画は次の通り。
イトーヨーカドー川口並木店(埼川口市並木元町 サッポロビール跡地)05年11月オープン
イトーヨーカドー苗穂店(札幌市東区苗穂町地内)05年11月オープン
イトーヨーカドー新亀有店(東京都葛飾区亀有 日本紙業工場跡地)06年1月オープン
イトーヨーカドー西新井店(東京都足立区西新井 日清紡工場跡地)06年オープン
イトーヨーカドー武蔵小金井店(武蔵小金井市再開発地内)06年オープン
イトーヨーカドー八尾店(大阪府八尾市光町 コクヨ工場跡地)06年オープン
イトーヨーカドー鳳店(大阪府堺市鳳南 東急車輛跡地)07年オープン
  ショピングセンターの建物は地下1階・地上4階建ての店舗、駐車場一体の構造が多く、しかも短工期の問題もあって鉄骨構造(S造・SRC造)が主体だったが、昨年から今春まで鋼材高騰もあり、RC造・SRC造に切り替わってきていることと、ハイブリット工法(柱RC造、梁S造など)を採用する傾向もあった。ここに来て鋼材価格の値下げ・安定化に向っていることからイトーヨーカドー店の地上S造・地下SRC造の構造に戻るか注目したいもの。

 
 
   
 

05年1−6月の鉄骨需要量約364万トン
年間ベースでは同水準の750万トン以内か

 

 

  国土交通省の建築着工統計を基にした05年上半期(1−6月)の鉄骨需要量は約364万トンと、前年同期比1.1%の増加になっている。この実績をベースに推測される05年の鉄骨需要量は04年と同水準の約740万トンと推定される。
  地域別需要量の増減は下記の通り。
   北海道=10万4,000トン(前年同期比21.8%減)
   東 北=21万0,000トン(同2.4%増)
   関 東=118万7,000トン(同4.9%増)
   甲信越=15万3,000トン(同9.3%増)
   北 陸=9万7,000トン(同10.8%減)
   中 部=61万4,000トン(同0.8%増)
   近 畿=59万1,000トン(同1.9%増)
   中 国=21万0,000トン(同0.5%減)
   四 国=10万2,000トン(同1.0%減)
   九 州=37万6,000トン(同1.6%減)

  昨年夏以降、急騰した鋼材価格によって鉄骨価格も急上昇したことから鉄骨構造を避ける傾向もあり、04年度は740万トンと見込み需要より下回った。05年度は当初、相当厳しい予測をしていたが、鋼材価格の値下げもあって徐々に回復基調にあることから昨年度並み以上に期待できるものの、東京・名古屋・大阪以外の都市需要が好転していないことから750万トン以内と推定される。

 
 
   
 

高層オフィスビルの出現でテナント需要旺盛に
=オフィス賃料1坪当たり5,000円増=

 

 

  東京都心部のオフィス賃料が上昇し始めている、との情報が流れている。「オフィス03年問題」で下がた賃料が、からたった2年でオフィス需要が高まったのか、それとも景気回復による新規需要が増えたのか、「ここ半年で3.3平方メートルあたり約5,000円上昇している」と言われている。
  品川・大崎・新橋・秋葉原・飯田橋などJR駅前再開発や日本橋・丸の内・六本木・赤坂・新宿の相次ぐ再開発によって高層・超高層オフィスビルが建ち、賃料下落が危惧されていたが、都心部オフィス需要には顕著なものがある。
  六本木の防衛庁跡地で三井不動産などが開発を進めている「東京ミッドタウン」は06年末の完成予定。オフィス面積だけでも33万平方メートルにのぼるものの、すでにヤフー、富士写真フイルムなどがテナントとして入居することが決まっており、3分の2はテナントが決まっている状態だという。
  一方、建物の不動産投資信託(REIT)による建築物の高品質化や高層化が促進され、テナントの指向もオフィス機能の高級化も賃料値上げの背景もある。
  03年問題以降、オフィスは単なる仕事をするスペースといった観点から、オフィスは社員のスティータスであり企業イメージーを高めるものでもある。そのためには少々賃料が高くとも優秀な社員を確保するための手段である、と言われている。
  オフィス賃料上昇基調で、新たなオフィス機能論が巻き起こること必至である。

 
 
   
 

<今月の雑感>
米国WTCビルの崩壊過程を解析した鹿島論文
=鋼構造協会が特別賞創設し授与=

 

 

  今月11日は、あの衝撃的な米国ニューヨークの世界貿易センター(WTC)ビルに旅客機が激突・崩壊した同時多発テロから丸4年。この崩壊プロセスを解析した鹿島の論文が、日本鋼構造協会特別賞を受賞した。同論文は、世界に先駆けて崩壊過程を詳細に再現した点や米国の専門誌での巻頭論文として掲載されたことを高く評価されたもので、これまでになかった特別賞を創設し、鹿島への授与を決めた。
  鹿島の論文は、WTCビルは、高さ410メートル、110階建ての南北2棟によるツインタワーで、1972年に完成した。当時の最新技術を駆使して建設されたWTCビルが、なぜ崩壊に至ったのかを、旅客機激突から建物内部の破壊プロセスを鹿島のプロジェクトチームが世界で初めて詳細に解析したものである。同チームは、01年12月に発足した日本建築学会「WTC崩壊特別調査委員会」の要請を受け、構造設計技術者や小堀研究室など社内メンバーで構成し、崩壊過程の解析に着手した。
  解析作業は、米国連邦緊急事態管理庁(EEMA)が02年5月にまとめたWTCの被害リポートなどからデータを集め、WTCや旅客機をモデル化し、有言要素法を使って解析を始めた。
  南北2棟の建築構造形態が同じで、旅客機が衝突した高層階は一辺が約63メートルで、外周柱240本、内部のコア柱47本で構成し、建物全体を支えている。北側のWTC1と南側のWTC2に衝突した2機の旅客機はボーイング767型機で、WTC1の93階〜99階部分と、WTC2の78階〜85階部分に相次ぎ衝突した時点で、満タンの30トンの燃料を積み込んでいた。
  プロジェクトチームは、全長49メートル、全幅48メートル、胴体高さ6メートルの機体を50センチ四方のメッシュで8,680個に分類。また、WTCビルも衝突した階層部分を中心に上下5階分ずつを取り出し、同じく数万個のメッシュに分け、それぞれの特性と強度に割り出し作業を行った。
  衝突1秒間に、建物内部の瞬間を明らかにするために採用したソフトシステムが、局部破壊応答解析ソフト「LS−DYNA」で、70年代に米国立研究所が開発し、後に民間に開放した三次元解析ソフトで、鹿島は90年代に購入して改良を加えたものである。
  解析の結果は、機体が外周柱を突き破り、バラバラになりながらコア柱に衝突して破壊。機体の一部は反対側の壁から外部に落下したしたという内容だった。WTC1の柱は122本、WTC2の柱は113本が瞬時に破壊された。旅客機衝突の瞬間から僅か0.6秒の状況を克明なシミュレーション画像で再現することに成功した。
  外周一辺60メートルに60本の柱、全周240本柱、内部コア柱47本のWチューブの鳥かご構造に満タンの旅客機が激突すれば、柱の倒壊と同時に数階のクラッシュと火災発生など状態はある程度の予想はできるもののビル全体が崩壊することは予期できない事態だった。
  当時の構造設計者も航空機の衝突を想定しての構造設計だったと語っているが、鹿島の解析によって明らかになったとすれば、今後の超高層建築の構造設計に大きな足跡を残すことになる。

【展示会のご案内】

  非破壊検査・計測・評価・診断に関する専門展示会を11月15−18にかけ、東京・有明の東京ビックサイトで開催されます。事前登録をしておきますと入場無料になります。
http://www.jma.or.ja/nde/jp/ue.html

           *      *      *
名 称 : 非破壊評価総合展2005
会 期 : 2005年11月15日(火)〜18日(金)
      10:00〜17:00(最終日は16:30終了)
会 場 : 東京ビックサイト(有明・東京国際展示場)東展示場
主 催 : 社団法人日本非破壊検査工業会 社団法人日本能率協会
協 催 : 社団法人日本非破壊検査協会
後 援 : 経済産業省(申請予定)
展示規模: 80社/100小間
来場者数: 8,000名(予定)
入場料 : 1,000円(消費税込)
* ただし、招待状持参者、事前登録者、学生は無料

同時開催: メンテナンス・テクノショー2005年
       生産設備から社会資本ストックまでの診断・補修・維持管理技術と
       ソリューションの専門展示会
       主催:社団法人日本能率協会 社団法人日本プラントメンテナンス協会
       展示規模:150社/320小間 来場指数:33,000名
       
      INCHEM TOKYO 2005
       プラントショー/先端材料展/製造業環境・エネルギー対策展
       主催:社団法人化学工学会 社団法人日本能率協会
       展示規模:330社/1,100小間
       来場者数:81,000名