QCC ニュース (2005年12月5日号)
 
     
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世界一(1008メートル)の新東京タワー構想
練馬・豊島区で東京ワールドタワー建設推進準備会を設立

 

 

  東京タワー(港区芝)高さ333メートル、昭和33年竣工に次ぐ第二東京タワー(610メートル)が墨田・台東エリアに決まった。デジタル放送用タワー建設はNHKと在京民放事業者5社で構成する「在京6社新タワー推進プロジェクト」に名乗りを上げたのは、<1>さいたま市(さいたま新都心に3計画案)<2>足立区<3>練馬区<4>豊島区<5>台東区<6>墨田区の6カ所8計画のうち、墨田区計画が候補地に決定した。
  練馬区の新東京タワー誘致推進協議会の構想は、高さ700メートルと一番高い計画を提案していたが墨田区に敗退。同協議会は豊島区と一体で、第二東京タワー計画を上回る1,008メートルの世界一の「東京ワールドタワー」を建設する構想を発表し、東京ワールトタワー建設推進準備会を設立する。
  建設・経営主体はPFIからSPC(特別目的会社)方式で募集する方針。事業主体が固まれば、練馬・豊島両区も出資する見通しだ。この数年かけ準備し、2010年の完成をめざす。建設費は周辺の事業計画も含め700〜800億円を見込んでいる。
  建設地は第二東京タワー候補地でもあった、練馬区の「豊島園」敷地約1万平方メートルを想定している。同地所有者の西武鉄道とは事業計画が固まった際、豊島園の敷地を事業者に売却する方向で合意している。
  東京ワールドタワーのデザインは、漫画家の松本零士氏を起用する。また、使用電力は太陽発電、風力発電、燃料電池など自然エネルギーを活用する。

 
 
   
 

UAE・ドバイで360メートルの超高層ビルを大成JV受注
大林・鹿島JVは新交通システム、竹中がターミナルビルを受注

 

 

  高いニュースの第二弾は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ建つ地上360メートルの超高層オフィスビル「アル・マス・タワー」を日本の大手ゼネコン・大成建設が中近東を拠点とする建設会社のアラビアン・コントラクションとのJVで総額150億円超で受注した。地下5階・地上68階建て、延べ床面積約18万9,100平方メートル。完成は07年9月の予定だ。
  一方、ドバイの都市交通システムも日本企業が3,600億円で受注した。この大規模プロジェクトは、三菱重工業、三菱商事を中心に、大林組、鹿島、トルコの建設会社ヤピ・メルカジで構成する5社連合で受注した。このうち、建設工事を大林・鹿島・ヤピのJVが担当し、2期にわたる工事の受注金額は2,280億円になる。同工事の今期受注分は大林組が約750億円、鹿島が約500億円になる。
  このほか、ドバイでは竹中工務店がドバイ国際空港拡張に伴うターミナルビルを受注しており、日本の大手ゼネコンの活躍が目立っている。さらに、今年7月に清水建設がドバイ営業所を開設するなどUAEとの関係はますます強いものになっている。

 
 
   
 

鉄骨建築の溶接品質確保を支えるAW検定
検定委員150名、AW検定技能者延べ4,500名

 

 

  建築構造の耐震データ偽造が社会的な問題になっているが、本来の構造設計者は真面目で融通が利かなく、頑なまでの技術者魂とプライドが構造設計を支えていた世界。そこに降って湧いたように現れた異端者が惹き起こした特異な事件である。
  建築構造設計者は鉄筋コンクリート構造(RC造)のほか、鉄骨構造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)の構造設計および監理を行っている。S造・SRC造は全建築物床面積の約40数%を占めている。
  この建築鉄骨を製作する工場の溶接技能者技量レベルを見極めるため、設計事務所は工事物件毎に溶接技量付加試験を実施し溶接部の品質確保をしてきたが、20年前から予め溶接技能者技量を検定し、工事受注後直ちに製作にかかれる「建築鉄骨溶接技能者技量検定制度」(略称AW検定)を実施・運営しているのが大手設計事務所、大手・準大手ゼネコンの構造設計者で組織しているAW検定協議会(会長=津山巌・日建設計・構造技術室技術長)である。
  さる11月18日、東京千代田区のアルカディア市ヶ谷で設立20周年記念が開催され、学識経験者・協力団体・ファブリケーター(鉄骨製作工場)ら250名以上が参集した。
  津山会長はあいさつで「現在は150名の検定委員に対して、受検工場は400工場を超え、AW検定技能者は延べ4,500名に達する。AW検定試験だけでなく、鉄骨工事における品質の追及、建物の付加価値を高める活動を推進して行きたい」と述べ、建築鉄骨の品質確保を第一に推進する決意を語った。
  AW検定には、<1>工場溶接試験(鋼製エンドタブ)<2>同(代替エンドタブ)、<3>工事現場溶接試験(鋼製エンドタブ)、<4>同(代替エンドタブ)、<5>鋼管溶接試験、<6>ロボット溶接オペレーター試験の6種検定を、東日本(東京)、西日本(大阪)で年1回実施の受験受け付し、各ファブリケーターの工場で(場合によっては複数工場でも)試験を行い、テストピースを試験機関に委託し合否判定を行う検定制度。この検定資格によって、溶接技能者の技量確保と溶接部の品質向上が果たせられている。
  鉄骨建築物にも少なからず欠陥鉄骨や不良鉄骨などの問題があって、行政・建築学会・設計事務所・建設会社・ファブリケーター(鉄骨製作工場)・非破壊検査など重層界がひとつになって技術規準・品質基準に則って巨大地震にも耐得る鉄骨建築物を建設している。
  今回の耐震データ偽造問題でいかに構造設計が重要であるかが証明されたが、その構造設計者が要求する品質を満足するには適正な技量を持つ溶接技能者が欠かせない。そんな地味な役割をAW検定協議会が続けているから鉄骨建築物が安心・安全なのである。
  AW検定協議会のURLは、http://www.aw-kentei.gr.jp/

 
 
   
 

<今月の雑感>
姉歯建築士の耐震データ偽造は壮大な欠陥建物劇
工事に携わる技術者・技能者らも同罪

 

 

  国土交通省は5日、耐震データ偽造問題の姉歯秀次・一級建築士(姉歯建築設計事務所=千葉県市川市)を建築基準法違反容疑で警視庁に刑事告発した。これによって姉歯建築士は逮捕され、刑事事件に発展するが、建築基準法違反の罰則は50万円以下の罰金刑である。むしろ関係者を国会での証人喚問によって、徹底的に追求し、うそをつけば偽証罪が適用される方が納得できる。また、詐欺罪での告発も視野に入れるべきである。
  前述記事のAW検定協議会でも指摘したが、建築設計者(構造技術者)は規準・基準・規格には頑固なまでに融通が利かない者でなくてはならないのである。そして、国民の生命と財産を護る建築物をつくる者は「利のみ」であってはならないのである。その構造設計者が耐震データ偽装には、建築に携わる者の誰しもが「耳を疑う」事件だ。姉歯建築士が日本建築構造技術者協会(略称JSCA)の会員でなかったことが唯一の救いだった。
  そして登場人物には、あの声高に捲くし立てるデベロッパー社長、偽装データを見破れなかった確認検査機関社長、追い詰め自殺した設計事務所社長、トンチンカンな建設会社社長と姉歯事務所からリベートを取る情けない東京支店長、さらに私利私欲総合のコンサルタント社長まで絡んだ欠陥(崩壊)マンション・ホテル建築物の壮大喜劇である。
  被害者のマンション購入者心理は「少しでも(都心・駅に)近く、僅かでも広く、そして何よりも安く」と思って、探し回った挙句、震度5程度で崩壊するマンションを5千万、6千万円で購入しローンだけ残して住めないとしたら、これほどの悲劇はない。その悲劇の台本のキーワードは、マンション・デベロッパーの「低コスト・短工期の発注」と、その工事を受注した建築会社の「コスト削減と工期短縮」による利益確保の優先から起きている。
  建築主らから請ける中小設計事務所の大半は、構造設計(計算データ)を下請けに出し、内外装デザインと設備設計に費やしているのが現状である。設計事務所やゼネコン設計部を辞めて独立した意匠・構造のアトリエ設計事務所も増えている。設計者個人のスキルは立派でも安定した顧客筋がなくては経営が成り立たない。そこに「コスト削減と工期短縮」の命題が重く圧し掛かってくるのである。
  確かに建築コストは技術進展によってコスト削減され、工事期間も減少してきた。そこには自ずと制約や限界(規準・基準)があってのこと。それを越えては成り立たない仕組みになっている。姉歯建築士の意思の弱さ、倫理観の欠如を良いことに、暗黙の了解による欠陥マンション工事に携わる鉄筋技能者や型枠技能者、工事責任者が見抜けなかった筈はない。知っていて知らない振りの技術者・技能者も同罪である。