QCC ニュース (2006年2月5日号)
 
     
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GDP世界4位、恐るべき中国経済の成長率
貿易黒字額も日本を抜き1000億ドル

 

 

  毎年10%前後と経済成長著しい中国ですが、中国国家統計局による2005年の国内総生産(GDP)はドル換算で初めて英国を抜き、米国・日本・ドイツに次いで世界4位になる見通し。05年のGDP総額では、英国とほぼ同額の規模とみていたが、中国政府の抑制策にもかかわらず実質成長率9.9%となって英国を超えたもの。
  英国統計局の発表では05年の実質成長率が推定1.8%だったため、ドル換算比較で中国の2兆1,000億ドル(約242兆円)に達し、英国の約2兆ドル(約230兆円)を上回った。
  一方、中国の貿易黒字額は初めて1,000ドルを超え、日本の800ドルを抜いた。
04年から1年で3倍以上に拡大したことになる。中国経済当局によると「これまでは糸へん産業が貿易を牽引したが、これからは金へん産業が貿易摩擦になる」と語っている。
  その鉄鋼産業は依然として堅調で、05年の粗鋼生産は前年比25%増の3億4,000万トンを記録し、世界生産量の30%強を占め、06年の生産量は18%増の3億9,000万トンの予測とみられている。「軍事的脅威よりも経済的驚異」と指摘する経済評論家もいることが分かる。

 
 
   
 

「東京ミッドタウン」07年春完成に快調な進捗
オフィス街と美術館巡りができる六本木地区

 

 

  三井不動産など6者が再開発を進めている六本木・防衛庁跡地の「東京ミッドタウン」(開発面積約10ヘクタール)の超高層ミッドタウンタワー(地上247メートル、都内一の高さ)最上層階まで工事が進んでいる。07年春のグランドオープンまで1年2カ月となった。同再開発は南500メートルの「六本木ヒルズ」(同11ヘクタール)と比較される複合施設を有する大規模開発である。
  同開発は、タワーを取り囲むように5棟からなる複合大型施設で、オフィス、ホテル、賃貸マンション、店舗などの商業施設、美術館とさまざまな機能が集結する。六本木ヒルズと並ぶ新名所になる。六本木地区は飲食店街のイメージが強かったが、オフィス街としての機能だけでなく、美術館巡りが楽しめる街に生まれ変わる。
  六本木ヒルズ・森タワーには「森美術館」が予想以上の人気を得ている。東京大学生産技術研究所跡地に「国立美術館」完成し、そしてミッドタウンに「サントリー美術館」が建設中。来年春には美術館のトライアングルが実現できる。ますます、六本木が明るく楽しめる街に変貌していく。

 

東京ミッドタウン工事写真参照
http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/tokyo-kensetu/TMP2.htm

 
 
   
 

虎ノ門・六本木再開発の本組合設立は5月、着工は10月
赤坂アークヒルズ周辺に建築計画目白押し
=森ビル=

 

 

  森ビルは、17年間の歳月をかけて完成した「六本木ヒルズ」は4月で丸2年経つが、同社は虎ノ門・六本木地区で再開発組合と共同で大規模再開発を着手する。今年度中に都市計画決定をし、再開発事業の母体になる「虎ノ門・六本木地区市街地再開発準備組合」(浜田尚子理事長)の本組合も5月に設立する見通し。
  再開発される計画地は、六本木ヒルズから北東約1キロメートルの港区六本木1−9、虎ノ門5−5〜7ほかの約2.2ヘクタール。森ビルが開発した「赤坂アークヒルズ」の東側で、立地は地下鉄南北線・六本木1丁目駅と日比谷線・神谷町駅の間に位置する一帯。敷地の約半分が森ビルが所有しているため、同社が事業協力者として事務局を梓設計事務所と担当している。
  都市計画案によると、再開発ビルは2棟構成で、北側にS造・SRC造、地下4階・地上50階建ての超高層複合棟、南側にSRC造、地下3階・地上6階建ての中層住宅棟を配置。2棟合わせた総延べ床面積は約14万2,500平方メートルにのぼる。オフィス面積は延べ約5万8,000平方メートル、共同住宅に同5万8,300平方メートル(約360戸)、商業施設に同7,700平方メートル、駐車場に同1万8,500平方メートルとなっている。本格着工は今年10月、完成は09年春を予定している。
  一方、同再開発地の南側に隣接する麻布台1丁目、虎ノ門5丁目の「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発」(6ヘクタール)も森ビルの参画で再開発事業計画が進んでいる。さらに、同社は「六本木1丁目北計画」(CFT造・S造、地下2階・地上14階建て、久米設計)や「赤坂2丁目地区再開発」(地下1階・地上20階建て)、「赤坂1丁目計画」(地下3階・地上15階建て)と再開発および単独ビル計画が目白押しである。
  今月11日にグランドオープンする「表参道ヒルズ」(地下6階・地上6階建て、安藤忠雄建築研究所・森ビル設計)がオープン前から人気を浴びている。森ビルの都市開発に大いなる期待をしたい。

 
 
   
 

<今月の雑感>
確認検査に構造係を設けるか、ピアチェック制度の導入か
建築構造士の国家資格制度も視野に士法改正も

 

 

  耐震偽装事件が「ライブドア」「防衛庁」「東横イン」など相次ぐ事件によってマスコミから採り上げられる回数が減ってきているが、耐震偽装問題は建築・設計・確認検査機関などでは大パニックになっている。
  ひとりの構造設計者が長年にわたって構造計算書を偽装し続け、それを自治体確認審査や指定確認検査機関が見落としたことは、意図的改ざんを想定していなかったチェックシステムに問題があった。ましてや、コスト低減や工期短縮のため建築主や施工者が偽装を主導し、コンサルタント会社が偽装システムによって事業拡張してきたとすれば、マンション購入者やビジネスホテル経営者にとって断腸の思いである。
  建築構造士の資格認定を行っている日本建築構造技術者協会(略称JASC)は事件発生以来、連日大変な数の電話相談でてんてこ舞いの対応に追われている。その多くは「うちのマンションの耐震性は大丈夫か」「耐震補修には幾ら掛かるか」といった問い合わせだが、相談者の気持ちは分かるものの、個々のマンションについて即答できるほど簡単な問題ではない。
  次いで「マンションを購入する場合はどうしたらいいのか」「施工者や構造設計事務所を選ぶ条件は」と言った質問も多いが、こうし問い合わせにも充分な理解を得るまでの説明ができないのである。と言って「すべて自己責任です」ではマンションに居住している人やこれからマンションを購入しようとしている人にアドバイスできない専門職団体としては寂しい。
  JASCの大越俊男会長は「マスコミ報道が誤解しているのは構造計算書に対する扱いだ。建築主事は計算書の数字など見る必要がない。したがって、構造計算書をチェックしていれば偽装に気付いたのではと指摘するが、むしろ構造偽装が分かるのは図面である。
  再発防止のためには、確認検査に構造係を設ける必要がある。構造設計者なら概要書などの図面を見て、偽装・異常に気付かないと言うことはない」と、構造設計者が構造図をチェックするシステムが必要と説く。また、「建築構造士を国家資格制度にし、法的位置を明確にすれば、確認申請書や工事標識にも建築構造士を明記できれば、偽装や違法設計をする設計者がいなくなる」と構造設計者の地位と役割を明確にするには、国家資格制度が望ましいと言う。
  また、国会で証言した東京工業大学の和田章教授は「事件の背景には、構造設計のコンピューターに過度の依存が挙げられる。出力された数字の羅列では構造設計者の思いは伝わりにくい」と前置きし、「異常な計算を事前に防ぐには、やはり他の構造設計者に審査とてもらうピアチェックが一番理想だと思う」と指摘する。この意見には国会でも注目されており、改正法には何らかの形で採用されるものと思われる。
  ヒューザの小嶋進社長の証人喚問は不発に終わったが、建築学会・建築識者や構造設計団体・構造設計者など多くの関係者は「姉歯偽装」を自らの問題として真摯な姿勢で取り組んでいる。建築基準法や建築士法の見直し・改正を含め、建築構造士制度など新たなシステムの構築を望みたい。