QCC ニュース (2006年3月5日号)
 
     
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構造計算偽装防止でJSCAが国交省に提案書
鉄骨製作工場名・検査会社名表示に倣った看板掲示も

 

 

  日本建築構造技術者協会(略称JSCA、大越俊男会長)は、姉歯秀次元建築士の偽装構造設計事件に関して、国土交通省に「事件防止に関する提案書」を提出した。
  JSCAが明らかにした提案内容は大別して2件、7項目である。

◆現在のシステムで出来ること
(1) 建築確認申請時に、構造設計者の氏名・電話番号を記入させる。建築構造士はその認定番号を記入する(法改正を伴う)。
(2) 建築現場の公知看板に、構造設計者の氏名・電話番号を表示させる。建築構造士はその認定番号を記入させる(鉄骨製作工場名、非破壊検査会社名表示と同様な書式)。
(3) 建築指導課および民間確認検査機関に構造係を設け、構造の専門家を置く。または構造設計者を専門委員として委嘱する。
(4) 以上について、必要に応じて地方自治体の建築安全条令を設ける。

 

◆将来望ましいこと
(1) 確認申請料金を10倍にする(現行の申請料金は低額すぎて責任を負えない)。
(2) 構造設計者を法的に位置付け、責任を持たせる。
(3) 複雑な建物や不可解な構造計算書・設計図が出てきた場合、必要に応じて建築指導課および民間確認検査機関は別の構造設計者にピアチェック(第三者評価)を要求することができる(問題がある構造設計物件を事前に排除)。
(4) 以上について、必要に応じて地方自治体の建築安全条令を設ける。 発注者および設計者に損害賠償保険を義務付ける(損保会社は構造設計者を事前に審査)。


  JSCAは、マンション購入者や購入予定者からの問い合わせが殺到し、対応に苦慮しているものの、一般社会人の多様なニーズ収集ができ、貴重な資料になると言っている。
  偽装事件の全容がはっきりしてくるに従い、いち構造設計者だけの問題でなく、建築計画コンサルタント、建築施工会社、マンション建築販売会社、民間確認検査機関といった企業が介在した大規模な偽装集団が起したものと判明した、との見解を表明し、構造設計者の倫理問題についても取り上げていくと示唆している。

 
 
   
 

有楽町駅前再開発ビルのキーテナントに丸井が入居
高層・中層2棟、延床面積約9万平方メートル

 

 

  東京都千代田区のJR有楽町駅東口前の再開発が開始された。北側に東京交通会館ビル、南側に有楽町マリオン(旧日劇)に挟まれた地区。すでに解体工事が完了、地下工事に着手される。2002年に再開発組合が設立。03年に権利変換計画決定したが、本格的な建設工事に着手した。
  この地区は、戦後建てられた飲食・遊技店跡地の有楽町2丁目地内の約1.8ヘクタールで、銀座地区の高架道路とJR線の間に位置し、銀座への玄関口でもある。高層棟(1街区)、地下4階・地上20階(塔屋1層)建て、延べ床面積約7万9,500平方メートル、最高高さ110メートル。中層棟(2街区)、地下2階・地上10階(塔屋1層)建て、延べ床面積約1万0,920平方メートル、最高高さ50メートルの2棟が建設される。07年度完成の予定。
  「有楽地用駅前地区市街地再開発組合」は、地権者数は土地所有者35人、借地権者6人、借家権者29人で構成されている。2棟は店舗など商業施設にオフィスなど業務施設、さらに駐車場の複合施設になっているが、1街区の事業を推進し、2街区の開発は1街区の進捗状況を見た上で、組合設立をすることになっている。1街区(高層棟)の低・中層部に借地権者である丸井が入居することになっている。
  建設概要は次の通り。設計業務は三菱地所設計、再開発の総合コンサルタントは三菱地所と森インベスメント・トラスト、専門コンサルタントにタカハ都市科学研究所とトーニチコンサルタントが担当している。施工は大林・鹿島・清水・大成・竹中・戸田・熊谷JV。

 
 
   
 

<今月の雑感>
銀座六丁目再開発の高さ178メートルで大幅に遅れる
商店街側と再開発組合 揺らぐ「銀座ルール」をどう折り合うか

 

 

  東京都中央区・築地魚河岸市場の移転に反対する会が、跡地に鮮魚マーケットなど魚河岸の面影を残す案を拠り処に都の移転計画に賛成の姿勢を示したため、東京都江東区・東雲地区への移転に拍車が掛かってきた。
  一方、銀座通りの一大再開発である銀座松坂屋跡地を中心にした「銀座六丁目地区再開発」は依然、銀座商店街の反対もあって計画が大幅に遅れている。98年に策定した地上56メートルの「銀座ルール」をたてに高さ制限で揺れているのである。
  ことの起こりは、地権者向けの建築計画では、松坂屋とその周辺街区9,076平方メートルに地下4階・地上47階建て、地上178メートルの構想を披露したが、この構想が外部に漏れ銀座商店街から異論が出てきたためである。
  この論争の前に、銀座8丁目の銀座第一ホテル跡地に三井不動産によるオフィス、ホテル、商業施設の複合ビルは特定街区制度で容積率緩和を受け、地上高さ121メートルで竣工しているが、銀座六丁目再開発はさらに57メートルも高く、銀座商店街の賛同が得られてない。銀座商店街を代表する声は「銀座ルールは自律的作用を明文化したもの、銀座6丁目の再開発は、その是非を論ずるのではなく、銀座の将来像に関わる問題だけに新しいルールへの契機にもなるだけに真剣に検討していきたい」と言うものの、経済性や合理性は長い目でみてれば決してプラスにならない、と言い切る。
  銀座の表通りから銀行が撤退し、海外ブランド店舗など華やかな街並みになり、ペンシルビルが建ち並ぶ独特の光景を維持してきている。著名な建築家は「街並みも調和だけでなくシンボルも必要だ。冬季オリンピック開催のトリノも調和の取れた街並みに高い教会の建物がシンボルとして建っている。銀座の一角に180メートルぐらいの建物があっても銀座全体の調和を崩すとは思えない」と語り、銀座のラウンドマークの必要性を強調する。
  銀座は昼の顔と夜の顔とあって戦後まもなく発刊された「銀座百点」をみると、大人の街であることが分かる。高級な装飾店や飲食店が居並ぶ街の風格は、建物のデザインにも現れている。ところが、ラウンドマークは4丁目の和光でしかない。向かいの三越や松屋のデパートも目立たない。
  松坂屋の一角に超高層建物が建てば、新たなラウンドマークになり得る。かつてのパリ万博でエッフエッル塔計画に反対した作家モーパッサンは、塔の完成後「ここに居ればエッフエッル塔を見ないですむ」と連日訪れ、眼下のパリを眺めたという。
  銀座の松坂屋は、松坂屋の株式会社化100年目の2010年を記念しての事業計画、残された時間は4年。銀座商店街との妥協高さは何メートルになのか!注目したい。