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わが国の鉄骨建築物(S造・SRC造)は、ここ数年700〜730万トン台で推移している。高層・超高層建築の躯体はS造が主体だったものが複合施設化ビルによって、店舗など商業施設、事務所など業務施設のほか上層階にホテル・マンションなどの居住施設を設けたことからRC造のウエートが高まっている。
一方、低層建築のS造物件では大型複合ショッピングセンターや配送センター・物流倉庫施設、電子・自動車関係の大型工場など大スパンの大規模建築が需要を伸ばしている。
都心の再開発ビルなど高層・超高層ビルの鉄骨を海外ファブリケーターで製作した鉄骨が採用されて久しい。一時期、韓国の著名な重工業が製作した輸入鉄骨が話題になったが、韓国の経済発展が人件費高になり撤退を余儀なくされた。その後タイ国のファブ・M社(アユタヤ市)が大手ゼネコンの採用もあって国内ファブと提携し、積極的に進出している。その数量は年間3万5,000トン以上にのぼる。
国内製作量約700万トン。その内、輸入量が約3.5万トンとすれば輸入率は0.5%であるが、その影響は国内の鉄骨価格を微妙な波及効果を与えている。
かつて超高層鉄骨を引き受けていた橋梁ファブや造船・重工業ファブは、価格低迷や需要減によって鉄骨部門の閉鎖・撤退したことから、高層・超高層建築の鉄骨製作の主体は一部Sを中心にH・Mグレードの中堅ファブ数社の分割発注が主流になっている。
分割受注するファブ群にタイ国・M社が参入。梁鉄骨の実績を重ね、昨今では四面ボックス柱鉄骨まで製作するなど国内ファブ同等の受注活動を展開している。この輸入鉄骨現象を見た大手K社ファブが中国ファブへ委託製作(下請け)策を検討している。
中国の鉄骨製作技術は、まだまだ黎明期であるものの毎年大規模ファブが出現し、年間10万トン規模ファブが十数社存在し、この数年で年間製作量2,000万トンに届く勢いである。その大規模ファブの内、浙江省紹興市のS社は年間12万トン程度の能力がある。また、江蘇省無錫市のF社も年間規模15万トン以上のファブ。この2社で製作する鉄骨を輸入する計画が進められているのである。
この鉄骨輸入計画では、国内にストックヤードや合番作業(建て方手順)をはじめ誤作修整、設計変更による追加製作などに対応するため、廃業した中堅ファブ工場を技術・技能者を含めて買収する方向で動いている。
こうなると、輸入鉄骨比率は0.5%から5%超へと拡大し、「鉄骨価格(コスト)は輸入鉄骨次第」と言われほど影響力を持つことになる。
今や中国の粗鋼生産は4億トンに迫る勢いである。中国政府は「鉄骨建築は鋼の備蓄資源」との政策から鉄骨建築を奨励するによって、ファブ業界は規模拡大の一途である。その中国製鉄骨が「日本の鉄骨市場に上陸する時代が目前に迫りつつある」と思うと、鉄骨市況動向はもとより、鉄骨鋼材・副資材など関連業界にとって大いなる脅威でもある。グローバル化した社会に輸入規制は難しいものがある。むしろ品質基準を強化するしかない。
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