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著しい低価格で受注する、ダンピング競争が建設業界に起きている。公共財的な構築物を請負契約で施工する建設業界にとっては、市場原理だけに任せておけない問題とダンピング受注によって建設業界の秩序はますます乱れていくことになる。
建築専門紙によると、「公共工事の低価格受注問題をめぐり、渡辺具能国土交通副大臣の発言が、国交省内に波紋を広げている」と指摘している。ことは、先月5日に行われた就任記者会見で渡辺副大臣は「最低価格制度の導入も検討したい」とダンピング受注への対策として入札に最低制限価格を設けるべき、との考え方を示した。
公共事業は、会計法によって、工事入札は低入札価格調査制度が原則で、一定金額を下回る応札を無条件で失格にする最低制限価格制度は採用できない。このところのダンピング競争が激しく、手詰まり状態の中で飛び出した渡辺副大臣の発言だが、国交省内部の評価や対応は極めて冷ややかで、副大臣の意図が果たして実現できるのか危惧されている。
一方、日本の公共工事にも入札ボンド制度が導入されだした。この入札ボンド制とは、「入札参加者が入札行為を撤回した場合、発注者が被る損害の補填を保証する制度」として米国で普及しているが、日本にもうこした制度がないわけではない。会計法に設けられている入札保証金制度がそれだが、現在は入札者にその納付を免除、運用されていない。
国交省がまとめた日本の入札ボンド制度は、損保会社が発行する入札保証保険や金融機関・保証事業会社の契約保証(履行保証)の予約証書などを入札ボンドとして扱い、これを入札保証金制度に活用することで導入する。具体的には、入札保証金の納付を免除する運用を改め、納付を原則化したうえで、入札ボンドの提出があれば、入札保証金の代替にするという仕組みである。
これにより、入札参加者は入札価格の5%の保証金納付かボンド提出が必要になる。実施要領によると、ボンドの提出時期は競争参加資格申請時で、入札価格に比べ保証金部分に不足が生じると失格になる。また、保証金部分の金額については二倍以内、提出後10日以内であれば、ボンドの変更を認める方針。
国交省は、この入札ボンドを、当面一般競争入札案件の大規模工事を対象に採用する方針で、今年度に10件程度実施する予定である。この制度により、@履行能力が著しく懸念される業者、施工の実態のないペーパーカンパニーなどの排除A与信枠の設定による過大な入札参加の抑制Bダンピング受注に対する一定の抑止――などの効果を期待している。
ボンド保証制度は、1996年10月1日から実施した日本旅行業協会(JATA)が導入している。加入旅行会社は、年間海外旅行販売計画額の1%相当額をボンドに差し入れする義務付けによって、不測の事態に対応する制度である。
50兆円を超える建設業界に、国交省の入札ボンド制度の徹底か、副大臣の提唱する最低制限価格制度の導入かによってダンピング受注の抑止に繋がれば納税者も納得すると思われる。
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