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耐震強度偽装の発覚から1年経過した。多くのマンション住民を不安に陥れただけでなく、建築行政の信頼性を大きく失墜させた事件でもあった。特に、1999年から始まった指定建築確認検査機関制度による建築確認・検査の民間開放がマイナス要因として指摘されてきたが、事件発覚後も受注件数を増やし続けている。
国土交通省は「民間検査機関は信用力低下で、受注件数は減る」とみていたが、行政庁も偽装を見過ごしてしてきたこともあり、民間検査機関は「存在を知られ、認知された」こともあり、予想に反して受注件数が増えている。
偽装事件で危機感を覚えた民間検査機関は、ゼネコンや設計事務所の退職者構造技術者を採用するなど積極的に検査技術担当者を増やし、見逃し防止策を取ってきたことが奏功していることもある。
現在の民間検査機関は、業務エリアが広い国交相指定が16機関、地方整備局・都道府県知事指定109機関があるが、大半は受注件数を増やしているものの建築基準法改正などに対応するにはハードルが高くなりつつある。
一方、国交省が進めている建築基準法や建築士法の改正を始とする制度改革で、指定構造計算適合性判定機関や、新たな構造・設備建築士不足が深刻な問題となってきている。
RC造、20メートル超など、一定の高さの建築物については、知事指定の「指定構造計算適合性判定機関」による構造計算のチェックを義務付け、3階建て以上の共同住宅への中間検査の義務付けなどを盛り込まれたが、その実務に当たる判定員の確保が難しい。
構造計算の審査が必要になる建築確認申請は、年間6、7万件あることから、最低でも1,500人以上の判定員が必要と試算しているが構造設計者が不足しているため、実現が難しいとされている。国交省が実施した調査による05年度末現在の一級建築士登録は約32万2,200人。このうち構造設計従事者は4%(12,890人)、設備設計従事者は1.1%(3,540人)に過ぎない。
構造設計者が加盟している唯一の団体である日本建築構造技術者(JSCA)協会会員3,566人、準会員135人。このうち団体資格である「建築構造士」を取得された構造設計者は2,530人(05年4月現在)。個人設計者ら未加盟の構造設計者を含めて1万人としても指定構造計算適合性判定機関制度の導入には疑問点が多すぎる。
(引用文献:建設通信新聞/11月17日付)
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