QCC ニュース (2007年2月5日号)
 
     
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「上海環球金融中心」工事と鉄骨製作の江蘇滬寧鋼機を見学
9月9日上棟式地上70階を超え順調な進捗

 

 
 

米国製サブマージ自動機による溶接の光景

 

上海環球金融中心(上海ヒルズ)の鉄骨製造工程

 昨年11月23日から駆け足で上海市と宜興市を訪問してきました。目的は、森ビルの現地資本会社が上海市・浦東新区の金融・貿易区中心地(Z4街区)に、地上492メートルの中国一高いビル「上海環球金融中心」(愛称=上海ヒルズ)が7割方建ち上がっているので、現地の建設関係者らと会って情報交換するために出向きました。
 事前に東京本社の森ビル・設計部や現地設計の担当者、そして鉄骨施工・管理の上海駒井鉄工建設工程技術ら関係者の尽力もあって、久々に皆さんと出会うことができ、いろいろ興味のある話が聴くこともできました。

          *

 上海ヒルズの隣接地に「金茂大厦」が聳え立っている。このビルは東方明珠タワー(地上500メートル)と並んで、浦東新区の象徴の建物(1998年竣工)で、地上421メートル、88階建て、上部には高級ホテル「グランド・ハイアット」が入り、上海超高層群の頂点に立っている。
 上海環球金融中心は、地下3階・地上101階建て、延べ床面積約約38万平方メートルの超高層複合ビルで、最上階の490メートルまで人が上がれ、世界一の展望台となる。構造は鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)で鉄骨総量は約7万トンにものぼる巨大ビル。
 この鉄骨施工窓口業務を駒井鉄工の現地法人・上海駒井鉄工が担当している。鉄骨製作は日系の上海中遠川崎重工業鋼結構、上海名門ファブの冠達爾鋼結構、紹興市の浙江精工重鋼結構、宜興市の江蘇滬寧鋼機の4工場が担当している。

 今回は、その1つの江蘇滬寧鋼機股_有限公司を訪問。鉄骨製作工程の見学や経営・事業方針・製造品目などを王曉波総経理ら幹部から中国鋼構造の現況や建築鉄骨などの話を聴くことができた。
 同社は82年郷鎮企業として創業。中国の改革開放とともに業容を拡大し、現在1,600人の工場従業員と現場組立工2,000人の3,600人。鋼構造製作能力は月産1万2,000トン以上で年産15万トン以上。規模は中国でも屈指の重工業工場と自負。
 設計も製造・建て方も中国1級資格。10年前にISO認証取得。
 北京競技場などオリンピック施設をはじめ北京電視台塔、広州電視台塔(テレビタワー)、主要都市の空港ターミナルビル、超高層ビル鉄骨と膨大な鋼構造物の需要があるため技術向上を図り、日本など先進国を手本に、生産性を高めたいという。
 上海環球金融中心の鉄骨は、厳しい品質基準もあって良き絶好の体験となっている。「もともと造船部品で三菱重工業など日本の造船所とも取引があるが、鋼構造分野でも日本など海外進出をめざしたい」と意欲的な姿勢を示している。若き王総経理は今春、日本ファブを訪ねる計画を練っている。

 一方、上海環球金融中心は、建設現場にインホメーションセンターを設け、テナントオーナー・地元関係者や日本からの見学者などのため、上海中心部分の模型や上海・浦東地区の沿革を写真展示し、上海環球金融中心と世界の超高層との比較や同ビルの20分の1模型などさまざまな試行をこらしている。この日も日本建築構造技術者協会の視察団が見学にきており、連日スケジュールがいっぱいだ。我々を案内した技術者は「すでに見学者数は4,000人を超えた」と語っていた。上海ヒルズをアピールするにはこれだけのインホメーション施設が必要なのかと悟ることしきりだった。
 上海・森ビル構造技術者と上海駒井鉄工建設の責任者らとの交流・懇親会では忌憚のない意見交換がされたが、何と言っても異国の地で日本と同じ品質維持をする難しさを痛感したものの、関係者は異口同音に「(中国人は)意外とのみ込みが早い」と言っており、良好な関係にあるようだ。
 また、関係者の一致した気持ちは、「何と言っても巨大なプロジェクト。ここまで(外周部70階・内周部80階)大きな事故・ケガがないこと。これからますます難しい工事になるので、安全第一で進めたい」と言う。
 実際の仕事・協働によって、日中技術・技能移転が進捗していくことで共通の規準や価値観が共有できる。中国ファブの日本進出が取り沙汰されているが、学び・体験した技術・製品を試していきたいと思うのは理解できるが、摩擦になら配慮が欲しいものである。
 巨大な鉄骨が聳え立つ現場に立ち、日中技術者らの力強い絆によって9月9日予定の上棟式に向けて安全で順調な工事を願って帰国した。

 

左は上海環球金融中心の鉄骨、
右が金茂大厦

 
インフォメーションセンターの
10分の1の模型
 
 
   
  *上海訪問記事の関連記事として、
最新中国情報を日本で発行している日本字新聞3紙から5つの記事紹介します。
 
 
<その1>
「1兆ドル超えは不正確」と外貨準備高世界一に冷や水
著名経済学者の周世倹・中華米国学会常務理事が引き締め
 

 

 『中国巨龍(週刊紙)』1月30日付記事によると、中国中央電視台(CCTV)は経済チャンネルの情報番組で、著名な経済学者の周世件倹氏が「外貨準備高世界一との言い方は不正確」と強調するインタビューを放映した内容を紹介している。
 「中国人民銀行の発表はあくまで政府管理分であって、日本は企業など民間が保有する外貨が3兆ドル超。わずか同1,600億ドルを超えた程度の中国とは比べ物にならない」などと語っている。
 人民銀行は、中国の昨年末の外貨準備高が1兆663億ドルとなり、前年末より2,473億ドル増加したと発表したことによる周氏の発言である。日本を抜いて世界一などと浮かれ気分を引き締めるとともに、膨大な外貨準備の用途について、官民からさまざまな議論が噴出している弊害に一矢を報いる狙いがあると見られている。
 中華米国学会常務理事を務める周氏は「中国は1979年以前で10億ドル足らず、99年の時点で1,547億ドルの外貨保有にすぎなかったものの、わずか26年かけただけで1兆ドルの大台を超えた」と感慨深げで、同時に「まったくゼロから、一躍世界市場から何でも買えるような『持てる国』に大飛躍を遂げた」と国の栄誉をたたえた。
 しかし、周氏は、中国の場合、外貨準備高は貿易黒字と導入した外資直接投資、さらに国際借款の3部からなっていると解説したうえで、特に同2位の日本にはない3千億ドル余りの対外借款残高が含まれたままであると強調。そのため中国の実際の外貨準備は差し引きして、されほど多くはないものと指摘した。
 また、民間保有する外貨のうち、中国では「企業と個人はそれぞれ半分ずつを分け合っている」とし、ようやく輸出企業などにおいて、社内に外貨のプールが可能となった程度に過ぎないとも指摘している、と厳しい論調を掲載している。

 
 
   
 
<その2>
深刻化する人材不足、高学歴専門職ほど顕著
 

 

 『中国巨龍(週刊紙)』1月30日付記事によると、中国中央電視台(CCTV)は経済チャンネルの情報番組で、著名な経済学者の周世件倹氏が「外貨準備高世界一との言い方は不正確」と強調するインタビューを放映した内容を紹介している。
 「中国人民銀行の発表はあくまで政府管理分であって、日本は企業など民間が保有する外貨が3兆ドル超。わずか同1,600億ドルを超えた程度の中国とは比べ物にならない」などと語っている。
 人民銀行は、中国の昨年末の外貨準備高が1兆663億ドルとなり、前年末より2,473億ドル増加したと発表したことによる周氏の発言である。日本を抜いて世界一などと浮かれ気分を引き締めるとともに、膨大な外貨準備の用途について、官民からさまざまな議論が噴出している弊害に一矢を報いる狙いがあると見られている。
 中華米国学会常務理事を務める周氏は「中国は1979年以前で10億ドル足らず、99年の時点で1,547億ドルの外貨保有にすぎなかったものの、わずか26年かけただけで1兆ドルの大台を超えた」と感慨深げで、同時に「まったくゼロから、一躍世界市場から何でも買えるような『持てる国』に大飛躍を遂げた」と国の栄誉をたたえた。
 しかし、周氏は、中国の場合、外貨準備高は貿易黒字と導入した外資直接投資、さらに国際借款の3部からなっていると解説したうえで、特に同2位の日本にはない3千億ドル余りの対外借款残高が含まれたままであると強調。そのため中国の実際の外貨準備は差し引きして、されほど多くはないものと指摘した。
 また、民間保有する外貨のうち、中国では「企業と個人はそれぞれ半分ずつを分け合っている」とし、ようやく輸出企業などにおいて、社内に外貨のプールが可能となった程度に過ぎないとも指摘している、と厳しい論調を掲載している。

 
 
   
 
<その3>
中国の「一人っ子政策」奏功、4億人の出生抑制
 

 

 厚生労働大臣の「女性は子ども産む機械・装置。一人頭でがんばって貰わなくては――」発言で国会が空転していますが、お隣中国では36年前に施行した一人っ子政策が人口増加を抑制したとしたの調査報告をしています。
 『中国新聞(週刊紙)』1月30日付記事によると、中国国家人口発展研究戦略課題組はこのほど、一人っ子政策の成果に関する研究結果を発表。それによると同政策の実施開始から現在までに総計4億人の出生が抑制され、人口爆発問題の緩和に役立っているという。
 一人っ子政策の実施により世界の人口が60億人に達する日を4年間遅らすことに成功し、また他の発展途上国に比べ約50年早く低出産率国となったと、報道している。
 同紙によると、中国政府が一人っ子政策を開始した1973年以来、国内における出生率は低下を続け、人口増加の抑制に目覚しい効果を上げた。実施から30年以内で中国国内の出生状況は従来の「高出生率・低死亡率・高成長率」から「低出生率・低死亡率・低成長率」に変化した。合計特殊出生率(1人の女性が産むと推定される子供の人数の平均)は70年代初めの5.8から現在は1.8まで減少した。
 人口増加の抑制は、資源供給の問題や経済環境悪化の抑制に役立っているほか、教育水準の上昇も確認されている。15歳以上の国民の教育水準を教育機関に通った年数で見ると、80年代初めの平均は4.5年、現在は8.5年にまで進歩を見せている。最終学歴が小学校卒以下の人口は大幅に減少し、中学卒の割合が増加。大卒以上の人口は82年の610万人から05年には7,000万人前後に増加している。
 この高学歴が、貧困人口も減少し、女性の社会的地位向上にもつながっているという。同政策の成果は今後、人口増加に悩む他の国家にとっても重要な資料になると考えられると、記事はむすんでいるが、厚労省がどんな施策を打ち出すのか興味深深である。

 
 
     
 
<その4>
北京市の06年度大学卒業生の
平均的な初任給は2300元(3万4500円)
 

 

 北京市の大学生就業指導センターがこのほど、大学26カ所の06年度卒業生1万4,000人に対して調査を行った結果、同市の大学(専門学校生から博士課程まで含む)卒業生の初任給は平均2,300元(邦貨で約3万4,500円)ということが明らかになった。
 中国工商銀行北京支店の求人担当者は「最近、給料について直接質問する学生は少ない。卒業生は理性的になってきており、最も多い質問は、発展の余地や研修の機会など」と述べている。また、北京市教育委員会のデータによると、北京市の大学卒業生はここ数年増えており、05年は15万人以下だったのが06年は17万人になった。
 さらに07年の卒業生は約3万人増加し、20万人を超える。うち大学院生は5万人を見込みだという。07年の就職率も06年と同じくらいで約90%と見られ、この比率で推定すると、07年度の大学卒業生のうち、2万人が就職できなくなるという。高学歴専門職の人材不足と矛盾する記事である。

(日中経済新聞1月1日付転載)

 
 
     
 
<その5>
上海に新幹線「CRH2」春節で臨時運行
 

 

 『中国巨龍』(週刊紙)1月30日付記事によると、上海鉄路局は1月28日から、日本の新幹線車輌をベースにした「CRH2」(8両編成)6編成を春節(旧正月、2月18日)前後から臨時列車として投入する。この車輌は日本の川崎重工業から直輸入した2編成のほかは技術提携した山東省青島市の南車四方機車車輌が組み立てたものだが、中国では国産として報道しているものの輸入・提携などとは一切公表していない。こうしたことが、大陸的である。
 同紙記事では、CRH2は滬寧鉄路(上海−南京)、滬杭鉄路(上海−杭州)両線区で運行するもので、滬寧鉄路向けに2編成、滬杭鉄路向けに4編成が割り振られる。最高時速は在来線と同じ時速160キロメートルに抑えるが、4月18日から国鉄ダイヤが全面改正され、同車輌編成は全国線区にも投入され、時速200キロ以上の高速運転に切り替えられると伝えている。