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昨年11月23日から駆け足で上海市と宜興市を訪問してきました。目的は、森ビルの現地資本会社が上海市・浦東新区の金融・貿易区中心地(Z4街区)に、地上492メートルの中国一高いビル「上海環球金融中心」(愛称=上海ヒルズ)が7割方建ち上がっているので、現地の建設関係者らと会って情報交換するために出向きました。
事前に東京本社の森ビル・設計部や現地設計の担当者、そして鉄骨施工・管理の上海駒井鉄工建設工程技術ら関係者の尽力もあって、久々に皆さんと出会うことができ、いろいろ興味のある話が聴くこともできました。
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上海ヒルズの隣接地に「金茂大厦」が聳え立っている。このビルは東方明珠タワー(地上500メートル)と並んで、浦東新区の象徴の建物(1998年竣工)で、地上421メートル、88階建て、上部には高級ホテル「グランド・ハイアット」が入り、上海超高層群の頂点に立っている。
上海環球金融中心は、地下3階・地上101階建て、延べ床面積約約38万平方メートルの超高層複合ビルで、最上階の490メートルまで人が上がれ、世界一の展望台となる。構造は鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)で鉄骨総量は約7万トンにものぼる巨大ビル。
この鉄骨施工窓口業務を駒井鉄工の現地法人・上海駒井鉄工が担当している。鉄骨製作は日系の上海中遠川崎重工業鋼結構、上海名門ファブの冠達爾鋼結構、紹興市の浙江精工重鋼結構、宜興市の江蘇滬寧鋼機の4工場が担当している。
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今回は、その1つの江蘇滬寧鋼機股_有限公司を訪問。鉄骨製作工程の見学や経営・事業方針・製造品目などを王曉波総経理ら幹部から中国鋼構造の現況や建築鉄骨などの話を聴くことができた。
同社は82年郷鎮企業として創業。中国の改革開放とともに業容を拡大し、現在1,600人の工場従業員と現場組立工2,000人の3,600人。鋼構造製作能力は月産1万2,000トン以上で年産15万トン以上。規模は中国でも屈指の重工業工場と自負。
設計も製造・建て方も中国1級資格。10年前にISO認証取得。
北京競技場などオリンピック施設をはじめ北京電視台塔、広州電視台塔(テレビタワー)、主要都市の空港ターミナルビル、超高層ビル鉄骨と膨大な鋼構造物の需要があるため技術向上を図り、日本など先進国を手本に、生産性を高めたいという。
上海環球金融中心の鉄骨は、厳しい品質基準もあって良き絶好の体験となっている。「もともと造船部品で三菱重工業など日本の造船所とも取引があるが、鋼構造分野でも日本など海外進出をめざしたい」と意欲的な姿勢を示している。若き王総経理は今春、日本ファブを訪ねる計画を練っている。
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一方、上海環球金融中心は、建設現場にインホメーションセンターを設け、テナントオーナー・地元関係者や日本からの見学者などのため、上海中心部分の模型や上海・浦東地区の沿革を写真展示し、上海環球金融中心と世界の超高層との比較や同ビルの20分の1模型などさまざまな試行をこらしている。この日も日本建築構造技術者協会の視察団が見学にきており、連日スケジュールがいっぱいだ。我々を案内した技術者は「すでに見学者数は4,000人を超えた」と語っていた。上海ヒルズをアピールするにはこれだけのインホメーション施設が必要なのかと悟ることしきりだった。
上海・森ビル構造技術者と上海駒井鉄工建設の責任者らとの交流・懇親会では忌憚のない意見交換がされたが、何と言っても異国の地で日本と同じ品質維持をする難しさを痛感したものの、関係者は異口同音に「(中国人は)意外とのみ込みが早い」と言っており、良好な関係にあるようだ。
また、関係者の一致した気持ちは、「何と言っても巨大なプロジェクト。ここまで(外周部70階・内周部80階)大きな事故・ケガがないこと。これからますます難しい工事になるので、安全第一で進めたい」と言う。
実際の仕事・協働によって、日中技術・技能移転が進捗していくことで共通の規準や価値観が共有できる。中国ファブの日本進出が取り沙汰されているが、学び・体験した技術・製品を試していきたいと思うのは理解できるが、摩擦になら配慮が欲しいものである。
巨大な鉄骨が聳え立つ現場に立ち、日中技術者らの力強い絆によって9月9日予定の上棟式に向けて安全で順調な工事を願って帰国した。
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インフォメーションセンターの
10分の1の模型
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