QCC ニュース (2007年3月5日号)
 
     
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サンプリング会を「鉄骨構造技術支援協会」に改組 
ファブ支援団体として4月1日発足

 

 

 建築学識者・大手設計事務所・大手ゼネコン・ファブリケーター・検査会社・鉄骨副資材メーカーなど重層分野での建築技術者らによる技術交流会「サンプリング会」が、4月1日をもって組織改革し、新たに「建築鉄骨構造支援協会」(SASST)として発足する。
 サンプリング会の興りは1982年、日本建築学会刊行の「建築工事標準仕様書/JASS6鉄骨工事」改訂に携わった鉄骨関連技術者らが中心に、建築鉄骨構造の正しい普及・発展とともに相互の親睦を図ることを目的に結成され任意組織。発足25周年を迎え、会長である田中淳夫・東京電機大学教授の提唱で組織改革を断行し、中堅ファブへの技術支援を意識した団体活動に衣替えする。
 80年代は鉄骨建築物の需要増加とともに、鉄骨品質問題がクローズアップされるに従い、鉄骨製作工場認定制度の普及、JASS6遵守などファブを中心に新たな課題が山積され、学識者・設計者・ゼネコン技術者とファブ技術者との技術交流が盛んになる一方、第三者検査の非破壊検査会社や鋼材・ボルト・溶接副資材メーカー技術者などとの相互交流の場として四半世紀間にわたってサンプリング会の果たす役割は高かった。
 当初のメンバーの現役離れ多く、新たな課題に直面していた。鉄骨構造に関する豊富な経験・知識を何らかの形で継続・伝承していくため新しい組織として、これまで気軽に技術相談する窓口が存在していなかったことに着眼し、中堅ファブ以下の技術相談を主体にしていく方針に運営内容を切替え、全国ファブと学識経験者・設計・ゼネコン技術との交流組織にした。
 会員である中堅ファブが、受注物件で設計事務所や建設会社などからの無理・難題を押し付けられ困っている場合、SASSTのURLサイトを通し、Eメールで質問し、支援スタッフが署名入りの文書で回答する「リアルタイム回答」や、これまで専門技術雑誌に掲載された記事を協会ホームページに採録する「鉄骨Q&A」サイト、会員相互の情報交換の場である「会員広場」サイト、建築材料・副資材などの「技術・商品紹介」サイトなどを設け、ファブ支援を行っていく。SASSTは「ファブの一分」を通すことのできる唯一の組織といえる。
 サンプリング会は中堅以上のファブが会員になっていたが、新組織はさらにファブへの門戸を開き、「高い意識を持つ多くのファブを会員になって頂き、技術支援を通じてファブの難題解決で還元したい」(田中淳夫会長)との趣旨でもある。また、建材・副資材会社の会員も視野にいれている。
 また田中会長は「常々発言してきたことだが、超高層建築に携わっている設計・ゼネコン・ファブ技術者を除いた、地方の中小規模ファブへのサポート、技術の底上げをターゲットにしている。私は栃木県の耐震判定委員長を務めているが、今回の新組織構想を話すと、皆一様に興味と賛意を示してくれた。地方の中小設計事務所・建設会社は鉄骨構造に関する知識が浅く、また古いこともあってファブが苦悩する場面が多いので、どんな問題でも気軽に相談できる組織にしたい。また、ファブだけでなく、地方の設計者や建設会社にもメンバーになって頂きたい。設計技術相談などにも応じて行きたい」
 「このほか、国公立大学の名誉教授クラスを中心にした学術会員制度を設け、技術講演や講師派遣・シンポジウム企画などを全国的に展開していきたい。数年間の活動で、NPO法人化も視野に入れている」と抱負を語っている。
 *建築鉄骨構造技術支援協会のURLサイトは http://www.sasst.jp

 
 
   
 
JSS6(鉄骨工事)、工事技術指針・精度測定指針を
11年ぶりに改定
建築基準法、JIS改定などでによって見直しされた
 

 

 日本建築学会の「建築工事標準仕様書 6鉄骨工事」(通称:JASS6)及び「鉄骨工事技術指針(工場製作編/工事現場施工編)」、「鉄骨精度測定指針」を1996年以来11年ぶりに改定する。
このたびの改訂の主な改正点は、建築基準法の改正とJIS改定などを反映し、品質管理用語の改定、溶接ロボット使用時における施工管理者の承認及び型式認証、高力ボルトの締付け施工法の追記、めっき工法における割れや溶接に関する事項が新たに追記された。
 改正・実施に際しての周知徹底のため同学会は2月14日の東京・平河町での「JASS6等改正講習会」開催をかわきりに、全国9ヵ所で開催する。東京会場では設計事務所・ゼネコンの構造技術者、ファブ技術者、非破壊検査技術者ら600人以上を集めて改正主旨や改正のポイント解説を行った。
 JASS6改正点については、JIS Z8101の廃止により、品質管理用語を「品質マネジメント」に改定、材料の鋼材では建築基準法(第37条)改定に伴い、「使用できる鋼材をJIS規格品と国土交通大臣認定品のみとし、JIS G3101一般構造用圧延鋼材SS材、JIS G3106溶接構造用圧延鋼材SM材、JIS G3475建築構造用炭素鋼管STKNなどを追加」された。
 スカラップの要否及び加工は特記による表現を改め、特記がない場合のスカラップを設けない形状の例を充実させた。「裏当て金を使用する場合、その板厚は9ミリ以上とする」としていた規定を、「裏当て金は母材に適し溶接性に問題ない材質で、溶落ちが生じない板厚を使用する」と改定した。
 溶接方法の承認では「ロボット溶接による溶接を採用する場合は試験を行って、工事監理者の承認を受ける」とし、使用している溶接ロボットが日本ロボット工業会及び日本溶接協会の建築鉄骨溶接ロボット型式認定を取得しているか、または溶接方法についてすでに試験を完了し、その試験結果を工事監理者が支障ないものと認めた場合は、この試験を省略できるとの項目が追加された。
 また、「ロボット溶接作業者は、少なくともJIS Z3841の基本となる下向き溶接の検定試験に合格したし有資格者とする」する溶接オペレーターを新設された。技術指針ではオペレーターに高度な技量を要求された場合は「特記により技量付加試験を行うことが望ましい」と記載されている。
 入熱・パス間温度では、400N平方ミリとYGW18(溶接ワイヤ)を加えて表記し、「溶接金属の機械的性質は同じ溶接材料を用いても溶接施工条件によって大きく異なる。特に、入熱・パス間温度は溶接金属の強度・靭性に大きな影響を与える」と明記され、入熱の算出・図式を掲載されている。
 このほか、高力ボルト接合およびボルト接合や、環境対策で新たに採用されたサビ止め塗装、亜鉛メッキ工法、製品検査などについても追加されているので、講習会受講が必要になっている。

 
 
   
 
最近の鉄鋼需要動向について」の調査資料をまとめる
= 新日本製鐵が3月1日発表 =
 

 

 新日本製鐵の3月決算は、売上高4兆2,800億円(前年比9.6%増)、経常利益5,800億円と絶好調である。同社は3月1日付で「最近の鉄鋼需要動向について」との調査レポート(13頁)を発表。その要旨を紹介する。

1. 世界経済動向(2007年度経済成長見通し)について
日本2.1%、米国2.9%、EU2.0%、ロシア6.5%、中国10.0%、
インド7.3%、ASEAN4.4%、ブラジル4.0%
(1) 07年世界経済成長見通しを4.9%
(2) 中国、インド等、発展途上国の高成長が直近の世界成長率を押し上げている
(3) 93〜02年の10年間の平均成長率は3.6%。03〜07年間は同4.9%

2. GDP成長と鋼材消費原単位の伸びについて
(1) 中国、インドの一人当たり鋼材消費は先進国に比して潜在的な成長余地は高い
(2) 台湾、韓国は輸出比率が高く、一人当たりの見掛け消費は台湾1,100キログラム、韓国900キログラム。先進国のEU406、米国378、日本648キログラムである。
(3) 中国の一人当たり粗鋼見掛け消費の推移は、90年59キログラム、95年83キログラム、00年109キログラム、05年264キログラムでこの15年で4.5倍に伸びている。

3. 07年の世界・アジア・中国の鋼材需要と10年の成長について
(1) 07年の世界鋼材需要は11億7,900万トン。10年は13億1,900万トン
(2) 07年のアジア6億6,100万トン。10年は7億5,600万トン
(3) 07年の中国4億1,300万トン。10年は4億8,900万トン

4. 06年の世界・アジア・中国の粗鋼生産量について
(1) 世界粗鋼生産量12億4,000万トン
(2) アジアは6億6,600万トン
(3) 中国は4億1,900万トン

5. 鋼材需要の構図について
中国、インド等をはじめとした中進国、発展途上国の成長によって、鋼材・厚板需要の増加が促進される。
その背景に、(1)インフラ整備(2)エネルギー関連需要増による建機、産機、鉄骨、パイプラインの増加(3)世界的な物流の増加による船舶需要の増加

 このほか、厚板分野別需要動向、今後の建築需要動向、全国厚板需給動向と能力対策、東アジア主要ミル厚板現地円換算価格推移、市中鋼材取引価格を調査し、参考資料として日本の粗鋼生産推移、国内鋼材消費推移(普通鋼)、鉄鋼原料市況動向が添付。