QCC ニュース (2008年2月5日号)
 
     
  バックナンバーを読む>>  
     

シャープ・堺工場 鉄骨使用量は液晶棟11万トン超
関連のエネルギー棟・ガラス棟・フィルター棟で4万1,000トン

 

 

 液晶テレビのシャープは、大阪府堺市築港八幡地区(新日本製鐵・堺製鉄所跡地)に巨大な液晶工場を建設中(設計・施工=清水建設)である。このプロジェクトは、大阪府が整備を進めている「21世紀型コンビナート」の中核工場で、関連工場を含めた工場が建ち並ぶ計画。大阪府活性化へのシンボル的な存在である。
 シャープは、この土地に世界最大の第10世代液晶パネル、世界最大規模の太陽電池をメーンに工場のうち先行する液晶工場棟(延べ床面積約58万4,423平方メートル)を建設している。鉄骨使用量は約11万トン超の規模。柱材のコラム(BCP)は約2万5,000トン、梁材はビルドHが約4万トン、外法H形鋼など形鋼が3万トン、スプライスプレートなどの厚板材が約1万5,000トンの内訳である。竣工は09年4月の予定。
 このシャープ工場に関連するエネルギー棟(施主=関西電力)、ガラス棟(施主=コーニング社)、フィルター棟(施主=大日本印刷)などの工場が相次いで着工している。エネルギー棟の鉄骨使用量は約1万5,000トン、ガラス棟の使用量は約2万トン、フィルター棟の使用量は約6,000トンとみられている。3棟合計の柱材のBCP材が約1万3,500トン、梁材のH形鋼・厚板などが約2万7,500トンと推定される。
 改正建築基準法以来、落ち込んだ建築着工であるが、昨年9月を底に順次回復し、12月の鉄骨需要量は63万3,000トンとS造では前年比1.3%増に回復したものの、ファブリケーター業界の仕事量は依然厳しい状況が続いている。
 その一方、シャープおよび関連のプロジェクトに関わる関西・中部圏の中堅ファブは、久々の大型鉄骨の大量受注で繁忙を極めている。

 
 
   
 
建築着工面積12月も前年同月比13.8%減で6カ月連続減
鉄骨量ではS造61万9,000トン、SRC造1万4,050トン
 

 

 国土交通省の建築着工統計調査による12月の建築着工面積は13,505,000平方メートル(前年同月比13.8%減)で7月以降連続6ヵ月の減少。このうち鉄骨造は6,190,000平方メートル(同1.3%増)で、鉄骨換算では61万9,000トン。鉄骨鉄筋コンクリート造は28,100平方メートル(同49.2%減)の同1万4,050トン。S造、SRC造の合計では63万3,550トンとなり、9月の31万8,600トンを底に回復の兆しが見えてきた。
07年度ベースでは、1−3月の回復基調にもよるものの年度当初予測約740万トンを大幅に下げて、680万トン前後とみられる。

S造・SRC造の2007年1月−12月までの推移

                                    国土交通省調べ

 
 
   
 
リサイクルの要請で鉄骨部位履歴をICタグで管理
実証実験で移設効率化を検証 
=日本鋼構造協会=
 

 

 日本鋼構造協会(略称=JSSC)は、大手ゼネコンや国土交通省・経済産業省など関係省庁とともに、ICタグを使った鉄骨建築物をつくり、その移設実験を実施する。この実験は、解体前の位置など鉄骨の履歴情報をデータベースに管理しておくことで、再び建設する際の設計・施工作業を効率的に行なえるかを検証するのが目的。
 ICタグを使うことで設計・施工作業で、どのようなメリットが得られるかを極めることで、リサイクル社会の鉄骨建築物移設、鉄骨部材の再利用を促進できるかを検証できるとしている。実験の結果次第では、移設効率化を目的にしたICダクの利用が建築構造物だけでなく、土木構造物の分野にも波及するとおもわれる。
 鉄骨建築物の老朽化に伴い建替え計画が進み、解体工事によって鉄骨がスクラップ化する中で、「梁部材などは再利用できるのでは」との意向もあって、JSSCや建築研究所・大手ゼネコンの技術研究所などがICタグによる利用方法を検討してきた。解体前建築物の鉄骨寸法などの履歴情報、施工手順などをICタグ(電子データ)管理できれば、解体後に再度建築部材として利用すれば、説計・施工作業の効率化・コスト低減化に期待できる。
 今回のJSSCの実験建築物は、建築面積約360平方メートル、高さ15メートル超の規模で、鉄骨約100トンを使用した鉄骨建築物の移設にICタグを利用する計画している。
 実験のスケジュールは、現在ICタグの利用モデルの検討作業を行なっており、3月には鋼材を発注し、今夏に予定している鉄骨部材の加工段階でICタグを取り付ける。建物は11月ごろに完成させ、09年1月に耐震実験を実施した後で、3月に解体・移設する予定だ。

 
 
   
 
建築確認審査「所要日数適判ある」と日数は2.6倍 
=BCS調査=
 

 

 改正建築基準法によって、建築・建材業界は大混乱に陥った。「偽装を見逃した指定確認検査機関と特定行政庁の煽りがこのような形で建築業界に影響を及ぼすなど思ってもいなかった」というのが大方の感想である。
 大手・準大手などのゼネコンで組織する建築業協会(略称=BCS)が、昨年末にまとめた「建築確認申請実態に関するアンケート調査」によると、調査期間の07年10月−12月(3ヵ月)の平均確認審査に要する日数は、「新規申請・適判あり」は、「新規申請・適判なし」に比べ、事前相談の日数で約1.2倍、確認審査の日数では約2.6倍になっていることが判明した。
 新規申請分のうち、構造計算適合性判定(以下=適判)が必要となる「新規申請・適判あり」の平均所要日数は、事前相談が34日、確認審査が50日になっている。これに対して、適判の必要がない「新規申請・適判なし」は、事前相談が28日、確認審査が19日になっている。
 一方、計画変更分のうち、適判が必要な「計画変更・適判あり」の平均所要日数は、事前相談が35日、確認審査が19日である。適判の必要のない「計画変更・適判なし」は、事前相談が15日、確認審査が20日になっている。適判の必要性がある案件のうち、新規申請の適判にかかる平均日数は30日、これに対して計画変更の適判にかかる平均日数は13日となった。
 3ヵ月間の調査で、各月の所要日数は、4区分ともほぼ横ばいで推移している結果となった。この調査はBCS設計専門部会に参加している13社を対象に設計物件ごとに、事前相談、建築確認審査、適判の所要日数を調査し、新規申請と計画変更について、それぞれ適判の有無により4区分し、10月以降3ヵ月間の平均所要日数(確認申請手続き終了物件)を換算したものである。