QCC ニュース (2008年9月5日号)
 
     
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「上海環球金融中心」(SWFC=上海ヒルズ)8月30日始動
グランドオープンは10月25日
新たな金融・文化・観光情報の発信、グローバルネット誕生

 

 

 森ビルが中国・上海市浦東新区陸家地区に建設していた軒高では世界一の「上海環球金融中心」(SWFC=上海ヒルズ)展望台が8月30日オープンした。地上429メートルの超高層複合ビルで、S造・SRC造、地下3階・地上101階建て、延べ床面積約38万1,600平方メートル。グランドオープンは10月25日に予定されている。SWFCは中国における金融・文化・観光の拠点として、上海市の新たなラウンドマークタワーである。
 森ビルの中国進出は、まず北の香港と呼ばれている大連市に「森茂大厦」(地下2階・地上24階建て、延べ床面積約4万6,400平方メートル、96年竣工)、SWTC近くの「上海森茂国際大厦」(現HSBCタワー、地下4階・地上46階建て、同11万6,824平方メートル、98年竣工)を建設し、同ビルは中国内では3棟目である。
 30日のグランドオープンに先立ち、28日上海で記者会見した森ビルの森稔社長は「ここまでの道のりは平坦ではなかった。日本では『無謀だ』とも言われたが、事業を辞めようとは一度も思わなかった。逆風をバネにして飛躍してきた」と感無量の挨拶を行なった。
 SWFCは、94年上海市と土地使用権譲渡契約締結後から14年間かかった。基礎杭打ち完了後、アジア通貨危機の影響で上海のオフィス需要が低迷し、またSARS(新型肺炎)問題や日中関係の悪化などもあって98年工事中断した。
 この間(約4年)、中国の建設事情(法改正など)の変化から、これだけの規模の建物は日本のゼネコンが扱えなくなり、施工を中国建築工程総公司、上海建工集団公司JVが受注。建設工事は03年再開し、北京五輪開催前の3月24日竣工予定進められたが、展望台部分の鉄骨製作が計画以上にかかった。
 鉄骨製作については、日本からの鋼材手当てが出来なくなり、アルセロール(ロクセンブルグ)、宝山鋼鉄(上海)より供給を受け、鉄骨製作は駒井鉄工現地法人を窓口に現地ファブ起用するなど紆余曲折した経緯もあった。鉄骨6万5,000トン以上の製作を、上海駒井鉄工建設工程技術有限公司の技術指導のもと、精工鋼結構建設集団有限公司(浙江省紹興市)、江蘇濾寧鋼機市股彬有限公司(江蘇省宜興市)、冠達爾鋼結構有限公司(上海市)、上海中遠川崎重工業鋼結構有限公司(上海市)の4ファブが担当した。
 SWFCの当初計画では、土地使用権や建設費など事業費約750億円だったが、最終的には1,250億円となり、事業計画予算の67%増になっている。しかし、森ビルではこの建設費を12年で回収できるとしている。森社長は「われわれの本当の事業はこれから、日本で培ったビルビジネスのノウハウを結集し、時代の変化に対応できるように進化させ、世界の金融の潮流やアジアの未来を見渡せる場所と、言われるように努力していく」と締めくくった。
 2010年は上海万博が開催される。北京五輪の一連のセレモニーに見るように、中国のイベント水準の高さに驚かされたが、力強く発展する経済力と生活水準の変化によって、上海万博も大なる期待が寄せられているが、その象徴がSWFCであることだけは間違いない。

 

【SWFC建築概要】(森ビルHPより引用)

建築名称: 上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center)
所在地 : 上海市浦東新区世紀大道100号
敷地面積: 30,000平方メートル
建築面積: 14,400平方メートル
延床面積: 381,600平方メートル    
階 数 : 地上101階、地下3階
建物高さ: 492メートル躯体構造: 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)
事業主 : 上海環球金融中心有限公司(事業主体、森ビル)
設計監修: 森ビル株式会社一級建築士事務所
建築設計: コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツP.C.(KPF)
構造設計: レスリー・イー・ロバートソン・アソシエイツR.L.L.P(LERA)
顧問設計: 上海現代建築設計(集団)有限公司、華東建築設計研究院有限公司
施  工: 中国建築工程総公司、上海建工(集団)総公司連合体

 

 

 
 
     

7月分の鉄骨需要量61万7,600万トン
S造59万8,000トン、SRC造1万9,600トン

 

 

 国土交通省が発表した7月分の建築着工統計では、着工床面積では1,449万平方メートルで、前年同月比16.6%増と13ヵ月振りに回復した。鉄骨造(S造)では598万平方メートル(同26.8%増)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は39万2,000平方メートル(同20.2%増)となった。
 鉄骨換算では、S造59万8,000トン、SRC造1万9,600トンの合計61万7,600トンと回復基調にあるものの、SRC造が2万トン台を割っていることが気がかりである。鉄骨造60万トン台を維持していくには、鋼材価格と安定供給が急務である。年度初予想の700万トン台を確保するには8月以降も62万トンをキープすることが欠かせないが、依然不透明な面もある。

07年7月−08年7月まで 鉄骨需要量の推移
07年7月−08年7月まで 鉄骨需要量の推移
(国土交通省調べ)

 
 
     

公立小中学校の耐震化率62.3%耐震診断率93.8% 
=4月末の文部科学省調査=

 

 

 中国・四川大地震で学校施設倒壊による学童の多くが倒壊死し、「オカラ建築」が大きくクローズアップされ、裁判問題になっている。
 四川大地震を教訓として成立した改正地震防災対策特別措置法の実施に際し、文部科学省の4月末調査によると、全国小中学校施設12万7,164棟のうち62.3%(前年度比3.7%増)が耐震化されているかとが分かった。また、耐震診断化率は93.8%(同4.4%増)とかなり高い水準になっている。
 耐震化率の一番高い神奈川県が90.4%、一番低い長崎県が39.0%と1.3倍の差がある。駿河湾沖地震が予測されている東海3県(三重県・静岡県・愛知県)や宮城沖地震後の宮城県も80%台と高い。阪神大震災地の兵庫県は63.8%と意外と低い。