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大地震でも鉄骨建築物が倒壊・損傷しないという<夢のような>建築鉄骨用厚鋼板が開発された。
夢の鋼材を実現したのは住友金属工業の総合技術研究所を中心に、大阪大学、京都工芸繊維大学、日建設計、片山ストラテックらによって2004年から産学による連携研究が行なわれ、世界初の1000メガパスカル(降伏強度880Mpa以上)級の建築構造用超高強度厚板鋼板「SSS1000」を開発、すでに国土交通大臣認定を取得した。
鉄骨建築物の主要部材に使う厚鋼板としては最高の強度を持ち、大地震時でも柱・梁が損傷せず、その後も使い続けられる「無損傷建物」を実現できる。従来の耐震構造は柱・梁が塑性変形して地震エネルギーを吸収し、建物の倒壊を防ぐ仕組みであったが、大地震後では建物の使用が困難になることがあった。
建築鉄骨で使用されている厚鋼板の中で最高強度590Mpa(降伏強度440Mpa)の2倍の降伏強度を持つ1000Mpaの超高強度を制震デバイスとともに採用することで、地震エネルギーをダンパー(制震材)に集中、主要構造部材の損傷がなく、荷重を除けば元に戻る弾性状態にとどめる技術開発を進めてきたもの。
一方、高強度鋼の課題であった溶接施工については、日鐵住金溶接工業と共同研究を行い、鉄骨組立時の広範囲な溶接条件下で、母材と同レベルの降伏強度を持つ溶接金属部を得られる溶接材料を開発し、鋼材・溶接材料の最適な合金成分設計・製造条件を得て、汎用性を持たせた。SSS1000鋼と合わせて国交大臣認定を取得している。
住友金属工業が鋼材・溶接材料を開発し、片山ストラテックとともに施工方法を確立。構造設計方法は大阪大学、京都工芸繊維大学、日建設計が共同で研究した。連携研究グループでは今後、設計方法や施工実験などを連携継続し、10年の実用化をめざしている。
鋼材価格の高騰によって鉄骨建築物の競争力が微妙な状態にある中、無損傷建築物を信じて超高級鋼材(SSS1000)を採用する建築主がどれだけ居るかに注目したくなる。
(国土交通省調べ) |