QCC ニュース (2008年12月5日号)
 
     
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<改正建築士法>11月28日施行
設計・工事監理業務の再委託制限を強化

 

 

 耐震偽装問題の再発防止策の第2弾となる改正建築士法が先月28日に施行された。構造・設備設計1級建築士の設計関与義務付けは半年後になるが、建築士による重要事項説明の義務付けや、設計・工事監理業務の再委託制限(丸投げ)の強化、建築士試験の見直しなどはスタートした。
改正建築士法の新規制を見ると、設計や工事監理の契約締結時に、書面を用いた重要事項説明が義務化される。書式例を建築関係4団体(建築四会)が検討しており、関係省令が公布される今月31日に合わせて公表される。建築士事務所以外への設計・工事監理業務の再委託も、補助業務を除き禁止される。
 加えて、3階建て以上かつ延べ床面積1,000平方メートル以上の共同住宅では一括委託(丸投げ)が禁止される。設計図書への記名・押印も含め何もせずに下請けに任せるケースは違法行為になる。
その違法・適法の例は次の通り。
 (1)元請けA事務所が、B事務所に構造・設備・意匠の全てを再委託(B事務所が設計図書に記名・押印し、A事務所はなにもしない)ケースは、A事務所による「丸投げ」となる。
 (2)元請けA事務所が、B構造事務所、C設備事務所、D意匠事務所にそれぞれ再委託(B、C、D事務所が実務を行い、記名・押印し、A事務所は何もしない)ケースは、A事務所による「丸投げ」となる。
 (3)元請けA事務所が意匠を担当し、B構造事務所、C設備事務所に再委託。B構造事務所がD構造事務所に再委託(A、B、D事務所が実務を行い、記名・押印し、B事務所は何もしない)ケースは、B事務所による「丸投げ」となる。
 (4)元請けA事務所が意匠を担当し、B構造事務所、C設備事務所に再委託(A、B、C事務所が実務し、明記・押印)ケースは、適法である。
元請け、下請けの関係を明確にし、かつ実務を責任もって当たって記名・押印し、責任の所在をはっきりさせることにある。なお、建築士の資質向上策として、建築士事務所に所属する建築士に対して3年に1度の定期講習の受講が義務付けられている。

 
 
     

ピアチェック 9月時点で審査日数が32.5日に
1月時点から約1週間短縮

 

 

 改正建築基準法に基づく構造計算適合性判定(ピアチェック)の平均審査日数が、今年9月時点で32.5日だったことが国土交通省のまとめで分かった。構造計算適合性判定機関での受付から合格までの平均日数を調べたもので、今年1月時点の平均日数は39.3日と比較すると1週間程度短縮している。
 国土交通省は「ピアチェックの審査期間を1ヵ月以内に収めたい」としている。改正前は3週間以内(21日間)が規定だったが、建築主事不足や申請書類ミスなどもあって、期間内認可は稀で1ヵ月以上は当たり前だったので、改正前に近づいてきている。
 ピアチェック制は、改正基準法施行の昨年6月から開始して1年半弱が経過し、毎月2,000件前後で推移している。建築行政情報センター(ICBA)によると、東京・埼玉・神奈川では、すべての構造計算適合性判定機関で確認申請業務が空いている状態だという。また、申請内容に特段の問題がない場合は、2〜3週間で認可している。
 ピアチェックに関するさまざまな問題が今だ尾を引いているものの、二度と耐震偽装が起きないための制度として円滑に促進していかなくてはならない。「申請する側も、審査する側とも地域ごとの協議会などで運用改善を促していく」との姿勢が欠かせない。

 
 
     

CFT柱と免震の組合せによる新CFT柱工法を開発
富士ゼロックス新R&D拠点建設計画」で初採用

 

 

 清水建設は、超高層建築向けに高耐力の「コンクリート充填鋼管(CFT)柱と「免震構造」の組合せによる先進の構造設計工法を開発・実用化した。この工法は、阪神大震災クラスの大地震に耐えられる高い耐震性を確保するとともに、柱の本数を大幅に減らしフレキシブルな大空間を実現することが可能になった。現在、横浜市のみなとみらい21地区で建設中の超高層プロジェクト「富士ゼロックス新R&D拠点建設計画」(地下1階・地上20階、塔屋1層、延べ床面積約13万5,000平方メートル)で初採用されている。
 CFT柱は、鋼管にコンクリートを充填した柱で、コンクリートが鋼管の座屈を抑えるため、一般の鉄骨柱に比べ耐力が優れている。同社が開発した工法は、CFT柱鋼管に、高張力鋼を国内で初めて適用した。これによって高耐力化したCFT柱と免震構造を組合せた点が最大の特徴である。強さとしなやかさを併せ持った高耐力CFT柱のため、柱の本数も減少しながらも大地震に耐えられる安全な建物が可能になった。
 同工法の技術的な内容は (1)高張力鋼を用いた高耐力CFT柱と免震とを組合せる新架構システムのため、震度6強クラスの大地震時でも、建物の被害を最小限に食い止められる (2)CFT柱鋼管は、新日鉄が開発したBT−HT400C級鋼材で、TMCP鋼325C級鋼材(降伏応力度325N/平方ミリ)と成分構成はほぼ同じであるが、熱加工制御によって降伏応力度は2割程度向上する
(3)鋼板から鋼管にする際の曲げ加工やシーム溶接、柱梁接合部の大入熱溶接が母材の強度・靭性に影響する問題をクリアし、柱材としての使用性能を確認している (4)耐火検証を行い、耐火時間や被覆の厚さを検証している (5)Fe60以上の高強度コンクリートとの組合せによるCFT柱は、超高層・大スパンの高軸力柱に有効で、従来鋼によるCFT柱に比べて径が小さくなる――などの優れた特徴。
なお、「富士ゼロックス新R&D拠点建設計画」プロジェクトでは、従来のCFT柱では70柱となるところ、50柱と約25%の本数を減らすことができた。同プロジェクトの鉄骨検査は当社が担当している。