QCC ニュース (2009年3月5日号)
 
     
  バックナンバーを読む>>  

1月の建築鉄骨は43万6,250トン
08年度鉄骨量概算600万トン前後か!

 

 

 国土交通省が2月27日に発表した建築物着工統計によると、09年1月の全建築物延べ床面積は10,480万平方メートルで前年同月比10.9%減少した。建築主別にみると、公共建築が510万平方メートル(同22.8%増)に対して、民間建築は9,971万平方メートル(同12.1%減)と民間需要が大きく減少した。
 建築鉄骨の需要量では、S造42万2,300トン(前年同月比7.5%減)、SRC造1万3,950トン(同5.1%増)となり、鉄骨造合計では43万6,250トン(同7.1%減)と昨年11月に次ぐ減少となった。
 08年4月−09年1月までの合計では512万8,150トン。月平均51万2,815トン。11月移行の40万トン台の推移で2−3月実績となれば、08年度換算では600万トン前後と予測されるが、未曾有の経済危機による大型プロジェクト(建築確認許可後の)相次ぐ工事中断・延期・中止によって実質減が大きいことから、今期最終値では600万トン割れになる公算が高い。
 そうなれば1975年度以来実に33年ぶりの低水準まで落ち込むことになる。昨年度(改正建築基準法による)大幅減の642万5,000トン(前年比12.4%減)に次ぐ落ち込みは、建築鉄骨業界に深刻な事態を招いている。何らかの施策を講じることが急務である。

08年1月−09年1月の鉄骨需要量の推移

(国土交通省調べ)

 
 
     

重厚長大産業の溶接技能者を支える
外国人研修生・実習生制度

 

 

 世界的な経済危機が派遣社員・期間工切りや内定取り消し、正社員解雇へと発展している。輸出激減・内需冷え込みによる雇用減パイラル現象が深刻になっている。緊急的な雇用確保では、地方公務員の臨時職員募集をはじめ農業・山林・漁業などが増やしているものの<焼け石に見ず>のようである。今月末までにさらに増大し、40万人を超える失業者が出てくる。
 こんな雇用情勢にも拘わらず、中国・ベトナム・タイ・フリピィン・インドネシアなど東アジア地域から来日する外国人研修・技能実習制度を活用した溶接技能者の受け入れが顕在化してきている。この背景には、送り出しをする国の溶接技能向上と人材育成の需要に対応することが狙いというが、ある意味での建て前論でもある。
 溶接技能者の研修・技能実習にかかわらず、本音は送り出しをする国と、我が国の受け入れ機関による派遣ビジネスであり、また当該研修・実習生は高賃金を当て込んでの来日である。受け入れ企業としては、溶接技能者不足を補うためと、国内の溶接技能者よりも低賃金(他職種よりも高額)で比較的良質な労働力を確保できることにある。その双方のメリットが研修・実習ビジネスとして拡大してきているのである。
 造船・建機・橋梁・鉄骨など重厚長大の溶接施工をともなう業界では、外国人溶接技能者の育成なしにはもはや成り立たない状況にある。受け入れをしている、ある鉄骨ファブ企業者は、「社外溶接工や派遣溶接工などよりも外国人労働者の方が(貯蓄意欲・技能習得で)覚悟の上に来日しているだけに勤勉、従順のため使いやすく、技能習得も早く、戦力になっている」と完全な戦力になっている。研修1年・実習2年間と限られた期間であっても、派遣工・期間工同様に受け入れのエンドレス化で済むとみている。
 日本国内の労働力人口の減少を見越し、溶接関連業界は代替労働力を確保したいとの思惑もあって積極的な動きをしている。厚労省の外郭機関である労働政策研究・研修機構の調査によると、国内労働力人口は06年の6,657万人をピークに減少し、12年には6,426万〜6,628万人、17年には6,217万〜6,556万人まで減少すると予測している。労働力人口に占める60歳以上の割合も、06年の14.5%から12年には18%近くまで拡大する。
 造船・橋梁・鉄骨など平均年齢が高い業種は、団塊世代の年々技能者が毎年多くが退職していくと、技能・技術の後継者・伝承者の確保がままならず、外国人技能研修・実習制度の在留延長など運用緩和措置によって、この制度の門戸はますます広げられることも考えられる。溶接技能者の空洞化を短期外国人技能者によって補われるとすれば、わが国の基幹産業はますます競争力を失わせる要因につながりかねない。

 
 
     

日系外国人も 「建設業」敬遠 
低賃金に抵抗感 =ハローワーク調査=

 

 

 【日刊建設通信新聞 2月12日付/転掲載】日系外国人労働者も、低賃金を理由に建設業職種を敬遠していることが、ハローワークの調査で分かった。製造業の場合、残業代を含めると「1ヵ月当たり30万円から40万円。建設・土木の他職種を紹介しても、低賃金を理由に不人気でハローワークの現場も苦慮している」(厚生労働省)状況だ。
 外国人労働者をめぐる雇用情勢は、自民党が開いた「雇用・生活調査会、労働者派遣問題研究会合同会議」で厚生労働省が、日系外国人の雇用環境と外国人研修・技能実習制度の現状について説明した。
厚労省は自民会議で、日系外国人が多く住んでいる地域のハローワーク9ヵ所による2008年10− 12月の新規求職者が、前年同期比で約6倍の約5,600人に上っていると説明。
 その上で、人員整理となった外国人労働者の多くが、日額6,000円弱、日数90日の雇用保険を受給していることで、「雇用保険給付額より若干多い建設土木など低賃金の他職種の就職をいやがる傾向がある」としながら、厚労省は「受給期間が切れる年度末以降には不人気職種への就職も増加するのではないか」との見方を示した。
 一方、建設業界も活用している。外国人研修・技能実習制度については、経済情勢の悪化を受け、新規入国者数(国際協力機構の把握分)が、08年10月から前年同月比で大幅に減少していることと、受け入れ機関の都合で研修・技能実習生の途中帰国が急激に増加していることを説明した。
 1年間の研修と2年間の技能実習によって、技能移転を通じた国際協力を目的とした同制度は07年時点で研修生約10万人、技能実習生約9.5万人を受け入れているが、「研修段階で既に労働者扱いをしているなど実態と合わない」などの指摘も根強く、現在、見直し議論が進んでいる。