QCC ニュース (2009年4月5日号)
 
     
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08年度鉄骨需要量は600万トン割れか
2月は37万2,800トン(前年比14%減)

 

 

 国土交通省が発表した建築物着工統計では、2月の建築物延べ床面積は9,795万平方メートル(前年同月比13.1%減)となり、12月以降3ヵ月続けて二桁マイナス。公共建築物が428万平方メートル(同24.1%減)、民間建築物は9,367万平方メートル(同12.5%減)と大幅減となった。
 居住建築物(マンション・住宅など)は、5,698万平方メートル(同21.0%減)、非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は、4,096万平方メートル(同1.0%増)。鉄骨建築物は、S造は3,561万平方メートル(同15.6%減)で、11月以降4ヵ月続けて前年同月比でマイナスになった。SRC造が334万平方メートル(同44.0%増)と大幅増にもかかわらず、S造の落ち込みが大きく全体の底上げにならなかった。
 鉄骨需要換算では、S造は35万6,100トン、SRC造が1万6,700トンの鉄骨合計が37万2,800トン(同14.0%減)と大幅減になった。鉄骨の30万トン台は、07年の改正建築基準法施行によって減少した8月の37万5,500トン、9月の31万8,600トン、10月の38万2,550トンの3ヶ月間に並ぶ低水準になる。
 4−2月の11ヵ月合計で550万0,950トン(月平均50万トン)。3月も30万トン台とすれば、今期の鉄骨需要量は34年ぶりの600万トンを割ることになる。
 米国発のサブプライムローン破綻による世界同時の金融危機が確実に影響してきていることだけはたしかである。鉄骨業界としては深刻な状況におかれている。

 
 
     

鉄骨需要減でコラム・H形鋼ジリ安傾向
コラム13.5万円、H形鋼8万円

 

 

  鉄骨鋼材用の大径角形鋼管(BCRコラム)、H形鋼市況のジリ安が続いている。昨年11月以降4ヵ月続いて鉄骨需要減によって、鋼材市況の悪化となっている。
 鉄骨柱材に使用されているコラムは2月末時より1万円(7.1%)下落し、昨年6月以来の安値となった。このことは、鉄骨需要減が始まった11月時点では高値圏にとどまっていたことから、建築主筋はコラム使用を避ける機運もあって、流通は下げを余儀なくされてきた。
 昨年7−12月までのベースサイズの板厚12ミリ×径300ミリの置場渡しでトン当たり15万円台で推移してきたものが、3月末現在では13万5,000−13万6,000円とトン1万5,000円(10.3%)と比較的緩やか下げ幅となった。このことは、母材のホットコイル(高炉材)が依然として高値圏にあったが、鉄骨の大幅な需要減の中でも急落しなかった。高炉メーカーが2月契約分から4万円下げたことから、4月以降のコラム価格は何段階かにわたって値下げが予測される。
 一方、鉄骨梁材に使用されるH形鋼相場は電炉大手の東京製鉄の値下げで、約1年半ぶりにトン当たり8万円割れとリジ安傾向になっている。原料のスクラップ安から電炉材の相次ぐ値下げと、鉄骨需要減から下げ止まず、需要回復の兆しもないことから7万円割れにむかうのことは必至である。
 ベースサイズの置場渡しで、トン当たり7万8,000−8万円だが、さらに安い取引もある。7万円台は07年9月以来となる。新日鉄などの高炉のH形鋼は8万円を維持しているが、電炉のH形鋼は3−4月契約分の販価を下げたことで流通筋が弱気に傾いた。4−6月期の鉄骨需要については、引き続き伸び悩む見通しだが、本格的な景気対策が浸透しはじめる7月以降でないと相場が安定しないとみられている。
 H形鋼の市中相場がトン8万円だとすれば、コラムは同10万円台でないとファブは納得しないとみられており、H形鋼のジリ安がコラム価格に値下げに影響することは必定と言える。

 
 
     

重厚長大で活躍する外国人溶接技能者
運用緩和措置で門戸拡大か!

 

 

 中国・ベトナム・タイ・フリィピンなど東アジア地域から来日する溶接技能研修・実習生の育成がますます顕在化してきている。この背景には、送り出し国の溶接技能向上の人材育成と需要増に対応することが狙いというが、ある意味の建て前論。本音は、送り出し国と受け入れ機関による派遣ビジネスであり、研修・実習生は高賃金を当て込んでの来日である。受け入れ企業としては、溶接技能者不足を補うためと、派遣社員・期間工よりも低賃金で良質な労働力を確保できることにある。その双方のメリットが研修・実習ビジネスとして拡大してきているのである。
 造船・建機・橋梁・鉄骨など重厚長大の溶接施工をともなう業界では、外国人溶接技能者の育成なしに、もはや成り立たない状況にある。企業側としては、派遣社員・期間工などよりも外国人労働者は覚悟の上に来日しているだけに、使いやすく技能習得が早く、戦力になるとの判断している。その背景には、研修1年・実習2年間と限られた期間、技能習得欲と貯蓄欲に燃えた外国人労働者を高評価しているのである。
 日本国内の労働力人口の減少を見越し、溶接関連業界は代替労働力を確保したいとの思惑もある。厚労省の外郭機関である労働政策研究・研修機構の調査によると、国内労働力人口は06年の6,657万人をピークに減少し、12年には6,426万〜6,628万人、17年には6,217万〜6,556万人まで減少すると予測している。労働力人口に占める60歳以上の割合も、06年の14.5%から12年には18%近くまで拡大する。
 造船・橋梁・鉄骨など平均年齢が高い業種は、団塊世代の年々技能者が退職していくと、技能・技術の後継者・伝承者の確保がままならず、外国人技能研修・実習制度からの在留延長など運用緩和措置によって門戸はますます広げられることも考えられる。溶接技能者の空洞化を短期外国人技能者によって補われるとすれば、わが国の基幹産業はますます競争力を失わせる要因につながりかねない。