世界同時不況の影響は建築鉄骨の需要量にも現れている。昨年10月の51万トン以降、毎月減少し、今年2月から30万トン台を推移してきたが、5月は28万トンにまで落ちた。6月に36万6,550トンと30万トン台に戻ったものの、50万トン台には遠く及ばない。1−6月の需要量は214万6,200トン。単純計算でみても09年(暦年)は429万トンでしかない。この数字は68年(同43)の450万トン以下である。
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建築鉄骨の加工量統計を遡ってみると、朝鮮動乱の特需景気から経済復興をしはじめ、1960年(昭和35)鉄骨加工量は100万トン台に乗った。この年、池田勇人首相の「所得倍労計画」を発表。以降、経済成長とともに建設ブームによって鉄骨需要は増加する。64年(同39)の東京オリンピック特需は200万トン台に乗せ、毎年急増していき、この時代にリベット工法から溶接鉄骨に切り替わっていく。69年には600万トンを記録する(60年代を「溶接鉄骨とファブ乱立期」)。
第一次石油ショックの73年は970万トン台の鉄骨需要ピークを迎える。70年代は高度成長期もあって、前半5年間は730万トン台、後半5年間は650万トン台と後半減少するものの10年間の平均では692万トン(70年代を「不良鉄骨と全構連設立期」)。80年代は600、700万トン台で推移するが、後半の2年は1,000万トン台を超え、10年の平均は809万トンとなる(80年代を「コラム普及と工場認定制度期」)。
90年代も前半は90年の1,200万トンをはじめ1,000万トン超えは4年もあり、第二次鉄骨ピークを迎える。この10年間の平均加工量は966万トンと、鉄骨建築の黄金時代となる(90年代を「SN材とCAD・ロボット期」)。しかし、2000年に入ると、810万トンから徐々に減少し、700万トン台を前後する。08年は589万トンと、41年振りに600万トンを割る。今年500万トンとすれば、09年代の平均は686万トン程度となる(2000年代を「鋼材乱高下と需要低迷期」)。
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建築全体の需要は昨年の11月から急減している。RC造は今年1月から前年比減が続いているが、鉄骨造ほどの減少率ではないが、6月は37.2%減とかなり厳しい現況。この数年来、柱をRC造、梁をS造のハイブリット造が普及してきており、この場合の構造種別が定かでないことも建築物着工統計の不備な点とも思える。
しかし、建築鉄骨においては、何と言っても改正建築基準法による需要減に続き、鋼材急騰による競争力の低下がファブ業界にとって想定外の出来事であった。そうした状況が続いているにしても、年間需要量500万トンを割るようでは、とても業界維持・存続をすることが極めて困難な状態になりつつある。
先月22日、東京・有明の東京ビックサイト会場で全国鉄構工業協会の全国大会(850人参加)が開かれたが、鉄骨需要を自ら生み出せないこと、ゼネコンからの下請け的存在といった業界構造であるため、抜本的な打開策を見出せなかった。鉄骨需要量500万トン前後に減少しつつあるファブ業界にとって、待ったなしの構造改革(業界団体の再編成)が急務と思われる。 |