QCC ニュース No.116号 (2009年9月5日号)
 
     
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7月の鉄骨需要量 37万2,850トン
前年比39.6%減 連続9ヵ月減少

 

 

  国土交通省が31日に発表した建築物着工統計によると、7月の建築物面積合計は10,105万平方メートル(前年同月比30.3%減)で、9ヵ月連続減少。建築主別では、公共建築物が932万平方メートル(同8.2%増)の5ヵ月連続の微増。一方、民間建築物は9,173万平方メートル(同32.7減)と7ヵ月の連続2桁減少で、民間需要は景気回復の基調にないため着工計画が一向に進まない。
  用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は、6,170万平方メートル(同27.4%減)、非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は、3,936万平方メートル(同34.3%減)で、住居・非居住建築物とも2桁減少。
  構造別では、鉄骨建築物は、S造は3,548万平方メートル(同40.7%減)、SRC造が361万平方メートル(同8.3%減)となり、S造は9ヵ月連続の前年同月を大きく減少し、SRC造は微減ながら5ヵ月連続の落ち込み。ちなみにRC造は1,821万平方メートル(同37.6%減)、W造は4,323万平方メートル(同15.3%減)。
  鉄骨需要換算では、S造は35万6,500トン、SRC造が1万0,050トンの鉄骨合計が36万6,650トン(同39.6%減)になり、6月に続いて30万トン台に戻ったものの以前低水準である。

 
 
     


21年度建設投資47兆8,400億円(14.1%増)
建築27兆7,600億円 うち民間建築15兆3,700億円
新政権で補正予算ゼロベースの見直し

 

 

  8月30日の総選挙で与野党が完全に逆転し、政権交代になった。今月央に組閣する鳩山政権は「国家戦略局」を置き、基本政策・予算編成を決定し、各省大臣・副大臣を通し各省庁から概算要求を出させる。この概算要求を閣僚委員会で調整し、政府案決定となる。各省庁に100人以上の(従来の族議員でない)国会議員を送り込み、政治主導による政策案・概算要求額などについて協働する。
  民主党は09年度補正予算14兆円の一部執行停止と補助金・支援事業など46基金の4.3兆円をゼロベースで見直しをする2次補正予算案の作業に入っている。その一例が「八ツ場ダム」や「国立メディア芸術総合センター」の建設中止もあって、建設・建築業界にとって相当に厳しい状況を迎えることになる。

  政権交代の前に、もう一度、国土交通省・総合政策局が発表した「平成21年度 建設投資見通し −概要とその要点−」から今年度の建設・建築の需要見通しを探ってみた。
  1.建設投資の概要=平成21年度の建設投資額は、政府投資が19兆8,400億円(前年度比14.1%増)で、民間投資は27兆3,800億円(同8.2%減)の47兆2,200億円である。
  建設投資は、平成14年度から60兆円を割り、さらに19年度では50兆円切り、平成4年度の84兆円に対して56%である。このうち建設投資が27兆7,600億円(同1.1%増)を見込んでいる。また、建築投資が58.8%、土木投資が41.2%の比率になっている。
  2.建築投資の内訳=建築投資27兆7,600億円のうち、住宅は政府が5,000億円、民間が15兆3,700億円の15兆8,700億円(同3.5%減)。非住宅は政府3兆4,600億円、民間が8兆4,300億円の11兆8,900億円(同8.0%増)となっている。
  3.GDPに占める割合=国内総生産(GDP)と建設投資では、21年度は9.8%となる見通しである。GDPに占める建設投資の比率は、ピーク時の昭和48年度の24.6%から徐々に下降し、平成19年度以降10%を切っている。また、平成11年度を100とした時の水準の推移をみると、13年度90、15年度80、17年度75、19年〜21年度20と下降線をたどっている。ちなみにGDPはほぼ平行線で推移し19年度120、20年度100、21年度98となっている。
  4.政府建設投資の動向=21年度の政府建設投資は前述の19兆8,400億円、前年度比14.1%増の見通しである。このことは、21年度当初予算と合わせ、5月29日に成立した09年度補正予算(14兆円)によって、増加したものである。このうち、建築投資は3兆9,600億円(同102.0%増)で、その内訳は住宅建築投資が5,000億円(同3.8%減)、非住宅建築投資3兆4,600億円(140.3%増)となる見通しである。
  一方、土木投資は15兆8,880億円(同2.9%増)で、その内訳は公共事業が14兆2,100億円(同4.0%増)、公共事業以外が1兆6,700億円(同5.6%減)となる見通しである。
  しかし、前述に指摘したように、新政権はゼロベースでの見通しもあって、建設投資は減額される可能性が高いとすれば、相当に厳しい投資額になると思われる。
  5.民間非住宅建築投資の動向=民間投資の中でも、非住宅建築は鉄骨建築物が約50%占めるため、ファブ業界および非破壊検査業界(鉄骨検査業務担当)に影響が大きい。この部門についは、世界的な金融危機の影響や景気の下振れが懸念される中で、厳しい状況が続き、企業の設備投資に期待少なく、8兆4,800億円(同11.9%減)となる見通しとしている。
  昨年度の鉄骨需要量が588万トン(同8.4%減)であった。この実績に対して12%の減少とすれば539万トン(政府建築投資含まず)となるが、これとて新政権の政策によっては一段と厳しい状況になることも考えられる。

 

 
 
     

失業率を少なくする統計

 

 

  総務省の労働力調査による7月の完全失業率は過去最悪の5.7%とになった。09年度の「年次経済財政報告」において、企業内失業者が過去最悪の607万人になるとの推計も明らかにしているので、失業率はさらに深刻な問題に発展する。
  完全失業率の定義は、「就業しておらず、かつ就職活動をしている失業者」としている。したがって、社内の余剰人員となり、一時休業している人や「雇用調整助成金」の支給を受けている社員、さらに派遣会社に登録しているが仕事がない人。ニートや専業主婦は初めから除外されているので、そうした「隠れ失業者」を入れれば7〜8%になると言われている。米国など先進国の失業率とは違うのである。
  こうした国の統計調査に疑問が多い。食糧需給率率41%は実はカロリー計算からの需給率であって、大豆・トウモロコシ・肉類など輸入食料品の換算率ではないのである。カロリー計算値でなく輸入食料品とにすれば需給率は60%以上になると言われている。
  11年7月24日の地上波デジタル放送(地デジ)への完全移行まで2年を切った。今春までの地デジ受信機(テレビ、チューナー)の普及率は60.7%と言われている。テレビ受像機は、一般家庭では2台、3台はめずらしくなく、ホテル・病院・学校・企業などは何十台と設置されており、その数は人口数以上である。普及率を上げたいための作為的なものさえ感じる。
  国が実施する統計調査には、現実とかけ離れたデータが一人歩きし、そうしたデータをマスコミなどによって都合よく使われ、民意を動かす役割になり勝ちである。統計やデータは必要だが、恣意的な調査によるデータによって民意を左右されては大変だ。今度の総選挙が良い教訓である。