8月30日の総選挙で与野党が完全に逆転し、政権交代になった。今月央に組閣する鳩山政権は「国家戦略局」を置き、基本政策・予算編成を決定し、各省大臣・副大臣を通し各省庁から概算要求を出させる。この概算要求を閣僚委員会で調整し、政府案決定となる。各省庁に100人以上の(従来の族議員でない)国会議員を送り込み、政治主導による政策案・概算要求額などについて協働する。
民主党は09年度補正予算14兆円の一部執行停止と補助金・支援事業など46基金の4.3兆円をゼロベースで見直しをする2次補正予算案の作業に入っている。その一例が「八ツ場ダム」や「国立メディア芸術総合センター」の建設中止もあって、建設・建築業界にとって相当に厳しい状況を迎えることになる。
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政権交代の前に、もう一度、国土交通省・総合政策局が発表した「平成21年度 建設投資見通し −概要とその要点−」から今年度の建設・建築の需要見通しを探ってみた。
1.建設投資の概要=平成21年度の建設投資額は、政府投資が19兆8,400億円(前年度比14.1%増)で、民間投資は27兆3,800億円(同8.2%減)の47兆2,200億円である。
建設投資は、平成14年度から60兆円を割り、さらに19年度では50兆円切り、平成4年度の84兆円に対して56%である。このうち建設投資が27兆7,600億円(同1.1%増)を見込んでいる。また、建築投資が58.8%、土木投資が41.2%の比率になっている。
2.建築投資の内訳=建築投資27兆7,600億円のうち、住宅は政府が5,000億円、民間が15兆3,700億円の15兆8,700億円(同3.5%減)。非住宅は政府3兆4,600億円、民間が8兆4,300億円の11兆8,900億円(同8.0%増)となっている。
3.GDPに占める割合=国内総生産(GDP)と建設投資では、21年度は9.8%となる見通しである。GDPに占める建設投資の比率は、ピーク時の昭和48年度の24.6%から徐々に下降し、平成19年度以降10%を切っている。また、平成11年度を100とした時の水準の推移をみると、13年度90、15年度80、17年度75、19年〜21年度20と下降線をたどっている。ちなみにGDPはほぼ平行線で推移し19年度120、20年度100、21年度98となっている。
4.政府建設投資の動向=21年度の政府建設投資は前述の19兆8,400億円、前年度比14.1%増の見通しである。このことは、21年度当初予算と合わせ、5月29日に成立した09年度補正予算(14兆円)によって、増加したものである。このうち、建築投資は3兆9,600億円(同102.0%増)で、その内訳は住宅建築投資が5,000億円(同3.8%減)、非住宅建築投資3兆4,600億円(140.3%増)となる見通しである。
一方、土木投資は15兆8,880億円(同2.9%増)で、その内訳は公共事業が14兆2,100億円(同4.0%増)、公共事業以外が1兆6,700億円(同5.6%減)となる見通しである。
しかし、前述に指摘したように、新政権はゼロベースでの見通しもあって、建設投資は減額される可能性が高いとすれば、相当に厳しい投資額になると思われる。
5.民間非住宅建築投資の動向=民間投資の中でも、非住宅建築は鉄骨建築物が約50%占めるため、ファブ業界および非破壊検査業界(鉄骨検査業務担当)に影響が大きい。この部門についは、世界的な金融危機の影響や景気の下振れが懸念される中で、厳しい状況が続き、企業の設備投資に期待少なく、8兆4,800億円(同11.9%減)となる見通しとしている。
昨年度の鉄骨需要量が588万トン(同8.4%減)であった。この実績に対して12%の減少とすれば539万トン(政府建築投資含まず)となるが、これとて新政権の政策によっては一段と厳しい状況になることも考えられる。
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