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QCC ニュース No.117号 (2009年10月5日号) |
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民間需要を喚起する予算配分
モラトリアムでなく景気回復を
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民主党中心の連立政権がスタートした。鳩山首相のもと、国家戦略担当大臣・行政刷新担当大臣による官僚依存から政治主導の予算配分をするとしているが、財務大臣や金融・郵政担当大臣の勇み足気味の発言によって、この数日混乱気味である。
特に金融・郵政大臣の「モラトリアム」騒動は、マスコミの格好のネタだけでなく、銀行など金融機関からも批判的な意見が多い。当の中小企業の経営者においても「景気回復の起爆剤」と評価する一方、「借りた金は返すのが当たり前」とモラルハザードを招くと賛否両論であるが、大方は景気回復に「予算を使え」としている。
建築業界においては、改正建築基準法による需要減、鋼材急高騰による逆ざや、世界同時不況による景気低迷などこの2年間にわたって翻弄され、そして政権交代による公共事業の見直し・削減となれば、民間需要もますます後退することになる。建築鉄骨の需要は東京五輪以前の状況にまで落ち込んでいる。
政府は、09年度補正予算の14兆7,000億円の見直しによって、ムダな事業費から2〜3兆円捻出するとしているが、一度決めた事業計画からの中止・凍結・削減となれば、八ツ場・川辺川ダム建設中止のような問題が随所に起こりうる。景気回復には産業の内需増・一般消費の拡大である。建築の需要喚起には公共投資・事業との関連があり、政府投資額が減少すれば、民間投資額も下がることは必至である。ますは建築事業投資への配分にも考慮していだきたい。
財務大臣は「子ども手当てなど国民に直結した分野への配分」とし、人に投資するとしている。時代に沿わないダムなどの大型公共事業の見直しはともかく、公立学校・保育園・病院・老人介護施設・図書館など公共建築をはじめ人命・財産に係わり合いのある建築事業への予算配分は、それなりの配慮がほしいものである。
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8月の鉄骨需要量 31万9,250トン
前年比42.8%減 連続10ヵ月減少
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国土交通省が9月30日に発表した建築物着工統計によると、8月の建築物面積合計は8,965千平方メートル(前年同月比37.3%減)で、10ヵ月連続減少となった。建築主別では、公共建築物が671千平方メートル(同8.2%減)。民間建築物は8,294千平方メートル(同38.9減)と民間建築が大幅減になった。09年度補正予算が建築業界に波及していないようである。経済はデフレ現象によって景気回復の見通しがつかず、ますます建築需要が衰退していく傾向にある。
用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は、5,760千平方メートル(同33.7%減)、非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は、3,206千平方メートル(同42.9%減)で、住居・非居住建築物とも大幅減である。
構造別では、鉄骨建築物は、S造は3,104千平方メートル(同41.4%減)、SRC造が177千平方メートル(同68.2%減)となり、S造は9ヵ月連続の前年同月を大きく減少し、SRC造は極端な減少で6ヵ月連続の落ち込み。 一方、RC造は1,574千平方メートル(同46.6%減)、W造は4,046千平方メートル(同23.9%減)と構造に関係なく大幅減となっている。
鉄骨量換算では、S造は31万0,400トン、SRC造が8,850トンの鉄骨合計が31万9,250トン(同42.8%減)になり、辛うじて30万トン台を維持したものの、ファブ業界が望む需要量の半分である。SRC造にいたっては8,000トン台の激減となった。新政権の景気対策如何では建築業界は壊滅的な状態に陥ることになる。
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鉄骨需要激減で受注単価に影響
= 建築鋼材の相場も底値感 =
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国土交通省が発表する建築着工統計による建築鉄骨需要量は、2009年1月−6月までの半期では214万6,200トン(月間約35万7,700トン)。前年同期比30.5%減と最悪の状況に陥っている。
建築着工数の低迷が、鉄骨の主力であるコラム(柱)+H形鋼(梁)の構造に大きく影響してきている。この鉄骨需要減が、コラム市況の悪化に及んでいる。東京の相場は先月約1年5ヵ月ぶりの安値にまで落ち込んだ。BCRもSTKR価格も同値相場で、ロールメーカー・流通では採算無視の価格競争に突入するも底値感。BCPメーカーもプロジェクトによってはBCR並みの価格で応じている。一方、梁材のH形鋼は反発気味に推移しているものの、鉄骨需要が好転しない限り、コラム・H形鋼の相場も厳しい更に一段と厳しい局面を迎えることになる。
首都圏内のファブ業界は建築着工減によって、受注競争の激化から鉄骨単価が落ち込み、厳しい価格で受注している。稼働率は下がる一方で、50−60%水準もめずらしくない。競合の激しい地域では、加工単価をトン当たり4万5,000−5万5,000円とし、加工コストを圧縮しての単価設定をしているため、赤字受注を覚悟しての営業に走っている。
現今のM・Hグレードファブによる単価はBCPコラム使用もあって、同16万5,000−18万台で推移しているが、「このまま需要が好転しなければ1万−1万5,000円の幅で値下がりもあり得る」(Aファブ)と、更なる価格下落もあり得るとの見解を示している。都心の大型プロジェクトに関与していないM・Hファブにとっては「仕事があっても地獄、なくとも地獄」(Bファブ)との苦境を語る。
この数年間の鉄骨需要量700万トン前後で推移してきたものが、65%減の450万トン前後の規模に縮小するとなれば業界は混乱するのは、「火を見るよりも明らかだ」(Cファブ)。ファブ業界も休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の給付を受けているが、これとて暫定的な処置であって、ここから先、需要・単価・与信・雇用と重要な問題について、個々のファブがどのように対処しなければならないかにかかっている。 |
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