QCC ニュース No.125号 (2010年6月5日号)
 
     
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10年度4月の鉄骨造需要量
34万2,200トン(前年同月比11.1%増)

 

 

  国土交通省が5月31日に発表した建築物着工統計によると、10年4月の建築物面積合計は9,905千平メ―トル(前年同月比5.0%増)で、前年対比は微増ながら前月続きプラスになった。 
建築着工の延べ床面積では、▽建築主別の公共建築物が668千平方メートル(同10.2%増)の5ヵ月続けての増加。民間建築物は9,238千平方メートル(同4.7%増)と先月に続いての微増となった。
  ▽用途別では、居住建築物(マンション・住宅など)は6,500千平方メートル(同5.4%増)、非居住建築物(ビル・工場・店舗など)は3,406千平方メートル(同4.4%増)で、居住・非居住建築ともに2ヵ月続いて微増。
  ▽構造別では、鉄骨系建築物では、S造は3,286千平方メートル(同11.0%増)と18カ月ぶりに増加に転じた。SRC造が272千平方メートル(同25.3%増)。ちなみに、RC造は2,256千平方メートル(同1.6%減)と微減ながら減少した。
  ▽鉄骨需要換算では、S造は32万8,600トン、SRC造が1万3,600トンの鉄骨合計が34万2,200トン(同11.1%増)となったが、前月比では8.9%の減少である。10年度の鉄骨需要予測は400〜450万トンとしており、34万トン台のスタートはまずますの実績である。

 
 
     

建基法の再改正に向けた見直し検討会
全9回会合 11年通常国会で法案提出へ

 

 

  国土交通省は2007年6月に施行した改正建築基準法を見直した法案を11年の通常国会に提出するため、「建築基準法の見直しに関する検討会」(座長、深尾精一首都圏大学東京教授)が再改正に向けた検討会に着手した。見直し議論のテーマは、[1]構造計算適合性判定(略称、適判)制度の対象範囲、[2]建築確認審査の法定期間、[3]違反に対する厳罰化の3つについて議論する。検討会は全9回を予定し、各テーマ別に意見交換を重ね、今夏ごろをメドに意見を集約する。
  第1回(開催日=3月8日)は、23名の委員全員が建築基準法の見直しに関する意見を述べ、次回からの分野別意見に対する概要発言となった。第2回(同4月1日)は設計関係者委員、第3回(同4月15日)は学識者・施工・生産者関係、消費者・保険関係委員、第4回(同4月26日)は消費者関係、ユーザー関係、審査関係委員による意見・議論が行われた。
  なお、第5回(同5月26日)はテーマ別意見交換(構造計算適合性判定制度)、第6回(同6月11日)はテーマ別意見交換(建築確認審査に係わる法定期間、厳罰化)の意見・議論となっている。
  建築基準法の再改定に関しては政権交代後、前原誠司国交相は実務環境の改善と景気対策の観点から改正建築基準法の見直しを指示。国交省は1月、確認期間の短縮や提出書類の簡素化など建築確認手続きの運用改善策を公表。改正基準法による建築確認の厳罰化による<建基法不況>を招いたと批判されていた。
  このような背景から、国交省は深尾座長以下設計関係を中心に学識経験者、消費者、損害保険、ユーザーらから委員25名で構成し、各界の意見や論議を行い、見直し法案をつくることになった。
なお、検討会での意見・議論内容は、録音音声や発言者名入りの資料などは国交省HPで公表されている。

PHアドレスは
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/k99_kenchikukijunminaoshi01.html

 
 
     

日建連、BCS、土工協の3団体統合
年内臨時総会で合併締結へ

 

 

  日本建設業団体連合会(略称=日建連)と建築業協会(同=BCS)は5月26日、それぞれ10年度通常総会において、日本土木工業協会(同=土工協)との3団体合併に向けての基本方針を決定した。土工協は4月23日の通常総会で合併を承認し、統合への検討開始を決めており、3団体合併への方針が整ったことになる。
  合併への手順は、検討委員会を設け、各団体の事業活動などの統廃合を決め、12月中旬には3団体合同の臨時総会を開き合併契約を承認し、国土交通省に合併認可申請をする。11年4月1日付の合併登記となる。
  日建連、BCSと土工協との合併は、建設投資の大幅減少と政権交代という大きな変化が団体のあり方を変えたことが、建設業界に大きな変革期を迎えたことにある。また、建設業界が「建築」と「土木」が一体となって、積極的な海外進出をはじめ建設産業として社会に対する発信力を強化することを問われている。
  日建連の野村哲也会長は、3団体統合について「組織を一本化して情報発信していくことが大事だ」と述べ、組織・活動のあり方にいては、団体会員と企業会員で構成する日建連の形態を基本とする考えを明らかにし、3団体が取り組んできた事業活動を継続させると語り、「BCS賞」などの活動を続ける方針を示した。
  一方、BCSの山内隆司会長も「建築と土木を分けているのは国内的なローカルルール。海外で通用するには統合が自然の成り行き」と述べ、公共事業が減少するとともに、住宅・事務所・工場などの民間工事も削減されている。この状況は当分続くとして、建設業界の環境をみれば統合は時代の要請と強調した。
  建設業界の大同合併が続く中、これからの建築設計団体の合併・統合に関する動きに注目したい。

 
 
     

名古屋駅周辺超高層ビル・プロジェクト
=東京・大阪に次ぐ駅前開発=

 

 

  建築需要が激減しているものの、東京・大阪・名古屋の3大都市における再開発・駅前ビル建替え計画は順調に推移している。中部経済圏の名古屋は「トヨタショック」にもめげず、名古屋駅前の建設ラッシュが続いている。
  1999年竣工した高さ245mの「JRセントラルタワーズ」(オフィス・ホテル棟のツインタワー)に次いで、06年竣工の高さ247mの「ミッドランドスクウエア」に加えて、08年竣工の高さ170mの「モード学園スパイラルタワーズ」が名古屋駅前のラウンドマークになっている。
  既にこの地区で100m超えるビルは「アクアタウン納屋橋」(117m)、「ブリリアタワー名古屋グランスイート」(106m)、「名古屋プライムセントラルタワー」(106m)などが林立している。現在建設・計画発表のプロジェクトは名古屋郵便局跡地に建つ210m、名古屋駅ターミナルビルの220mなど100mを超えるS造超高層ビルの7プロジェクトが進められている。
  名古屋の建築需要は、駅前の名駅地区・ささしまライブ21地区以外の中区栄・錦・丸の内地区などの中心街においても再開発・建替え計画が進んでおり、<尾張名古屋>はタワークレーンが随所に観られる。

  おもなプロジェクトは次の通り。【<1>建築主<2>規模<3>設計者<4>施工者<5>工期】

  ▽グローバルゲート(中村区平池町4−60−13ささしまライブ24地区)<1>豊田通商・大和ハウス工業・日本土地 物・名鉄不動産のSPC<2>WESTタワーS造・一部SRC造・RC造、地下2階・地上37階(170m)、EASTタワーS造・一部SRC造・RC造、地下2階・地上18階(100m)、商業棟S造・一部SRC造・RC造、地下1階・地上4階、3棟合計の延床面積15万7,000平方メートル<3>竹中工務店<4>未定<5>10年10月−13年5月
  ▽名古屋駅ターミナルビル建替え計画(中村区名駅1−1−2)<1>JR東海<2>超高層棟S造・一部RC造・SRC造、地下5階・地上46階(220m)、低層棟S造・一部RC造・SRC造、地下5階・地上16階、2棟合計の延床面
積26万平方メートル<3>JR東海コンサルタンツ・日建設計JV<4>未定<5>11年3月−16年3月
  ▽大名古屋ビル建替え計画(中村区名駅3−28−12)<1>三菱地所・ロイヤルパークイン名古屋<2>S造・SRC造、地下4階・地上38階、塔屋1層(190m)、延床面積15万平方メートル<3>三菱地所設計<4>未定<5>12年度着工−15年度完成
  ▽名古屋中央郵便局建替え計画(中村区名駅1−1−1)<1>日本郵政会社・名工建設・名古屋鉄道<2>超高層棟S造・SRC造、地下3階・地上55階(210m)、低層棟S造・SRC造、地下1階・地上13階、2棟合計の延床面積19万平方メートル<3>日本設計<4>未定<5>10年春着工−12年3月完成
  ▽愛知大学名古屋校舎第1期計画(中村区平池町4−60−6ささしまライブ24地区)<1>愛知大学<2>SRC造・一部RC造、地下1階・地上11階、延床面積6万2,954平方メートル<3>日建設計<4>未定<5>10年3月−12年3月
  ▽名古屋三井ビルディング新館(中村区名駅南1−24−10)<1>三井不動産<2>S造・一部SRC造、地下2階・地上14階・塔屋3層、延床面積1万7,990平方メートル<3>日建設計<4>竹中工務店<5>09年10月−11年5月
  ▽新中経ビル(中村区名駅4−4−1)<1>中部経済新聞社・名古屋鉄道<2>S造・一部SRC造・RC造、地下2階・地上17階、延床面積3万平方メートル<3>伊藤建築設計事務所・日建設計JV<4>鹿島建設<5>10年4月−12年6月

 
 
     

「WAWO構法」 SASSTの技術性能評価を取得
全国規模の採用拡大を図る =アークリエイト=

 

 

  建築鉄骨構造技術支援協会(略称、SASST)は、このほどアークリエイト(高知市朝倉本町2−17−47、内田昌克社長)が開発した建築鉄骨製作技術「WAWO構法」の技術性能評価を付与した。
  アークリエイトは、耐震建築鉄骨の製作管理や技術指導を行う企業で、WAWO構法は独自開発の技術として全国の中小ファブに採用を促してきたが、SASSTの技術性能評価を得たことにより、同構法の信用力を高め、採用拡大につながるものと思われる。
  WAWO構法は、冷間成形角形鋼管(BCR、BCP、STKR)を用いたコラム柱・H形鋼梁との接合を簡易化した溶接構法。通常の構法ではコラム側に裏当て金、梁ウエブ側にスカラップ加工、溶接開先部の始終端にエンドタブといった溶接副資材の使用と加工を行っているが、同構法では使用せず、肉盛り溶接で肉厚を増やして溶接量を低減する。溶接ワイヤ、シールドガス、電力を約40%削減でき、鉄骨重量を約10%程度軽減することも可能。
  WAWO構法は、3種類の梁・柱の組立て方式。「一体化工法」「つばなし工法」「スロット工法」と、さらに4種類の溶接方式「肉盛溶接工法」「表波(改良裏波)溶接工法」「裏当て金(改良裏当て金)溶接工法」「スロット溶接工法」を組み合わせて施工する。この7つの工法と、組み合わせた11通りでSASST技術評価を受けた。
  同社は、09年4月から10年3月までの1年間で、全国で新たに20物件に採用された。02年度の同構法開発から累計で107物件にのぼり、ここにきてWAWO構法の普及に弾みがついてきたことSASST技術性能評価の取得によって、さらに拡大するものと期待している。
  同構法最大の大型物件は、大阪府門真市のベアーズB棟の延べ床面積約1万3,000平方メートル、鉄骨使用料約1,100トン。今年度は50物件の採用をめざしている。